複数の社用スマホをまとめて契約すると、大手キャリアのままでは毎月の通信費がかなりの負担になります。そこで近年、法人でも導入が進んでいるのが法人向け格安SIMです。回線そのものは大手キャリアの設備を借りているため通信品質を保ちながら、月額料金を大きく抑えられるのが魅力です。
総務省の電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(令和7年度第4四半期)によると、MVNO(格安SIM)の契約数は2026年3月末時点で4,277万契約と前年同期比12.5%増で伸び続けており、法人利用も着実に広がっています。
とはいえ、各社のプランや回線、かけ放題の有無は細かく違い、「結局どれを選べばいいのか分かりにくい」という声も多く聞かれます。この記事では、法人向け格安SIMの基礎知識から選び方、おすすめ12社の徹底比較、料金シミュレーション、導入時の注意点までをまとめて解説します。自社に合った1枚を見つける参考にしてください。
法人向け格安SIMとは?大手キャリアと何が違うのかをやさしく解説
法人向け格安SIMを検討する前に、そもそも格安SIMがなぜ安いのか、法人契約と個人契約で何が変わるのかを押さえておきましょう。仕組みを理解しておくと、後の比較や選び方がぐっと分かりやすくなります。
そもそも格安SIM(MVNO)の仕組み
格安SIMを提供する事業者はMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天といった大手キャリア(MNO)から通信設備の一部を借りてサービスを提供しています。自前で基地局やアンテナを建てる必要がないため設備投資が少なく、その分を月額料金の安さに還元できるという仕組みです。
つまり、電波そのものは大手キャリアと同じものを使っています。エリアのカバー範囲は借りている回線とほぼ同じなので、「格安だから田舎では使えない」ということは基本的にありません。一方で、混雑する時間帯は借りている帯域の範囲で通信するため、お昼休みなどに速度が落ちやすいという特性があります。この点はあとの章で詳しく触れます。
法人契約と個人契約の主な違い
法人契約では、契約名義が個人ではなく会社(法人)になります。これにより、複数回線をまとめて1つの請求にできる、支払いを口座振替や請求書払いに対応できる、管理画面で全回線の利用状況を一括で確認できるなど、業務利用に便利な仕組みが用意されています。
また、社員の入退社にあわせて回線を追加・解約しやすい、利用明細を経費精算に使いやすいといった点も個人契約との大きな違いです。会社によっては、回線数に応じた割引や、専任の法人サポート窓口が用意されているケースもあります。申し込み時に登記事項証明書や担当者の本人確認書類などが必要になる点も、個人契約とは異なるポイントです。
法人格安SIMが選ばれている背景
法人で格安SIMが選ばれる最大の理由は、やはり通信コストの削減です。社用スマホが10台、20台と増えるほど、1台あたり月額1,000〜2,000円の差が会社全体では大きな金額になります。リモートワークや営業の外回りで社用端末を持たせる企業が増えたことも、低コストな回線の需要を押し上げています。
加えて、データ容量を細かく選べるため「ほとんど通話だけの端末」「タブレットでデータ通信だけ使う端末」など、用途に合わせてムダなくプランを組めるのも支持されている理由です。前述の総務省データのとおりMVNO全体の契約数が伸び続けていることからも、コスト意識の高まりとともに法人利用が定着してきたことがうかがえます。
法人向け格安SIMを選ぶ5つの比較ポイント
法人向け格安SIMは各社で特徴が異なります。やみくもに料金の安さだけで選ぶと、「通話料がかさんだ」「速度に不満が出た」といった失敗につながりかねません。ここでは、契約前に必ず確認したい5つのポイントを整理します。
使う回線(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)で選ぶ
格安SIMは借りている回線によって、つながりやすいエリアや混雑時の速度傾向が変わります。社員がよく使うエリアで実績のある回線を選ぶのが基本です。すでに大手キャリアで快適に使えているなら、同じ回線を使うMVNOを選ぶとエリアの不安が少なくなります。
たとえばIIJmioはドコモ網・au網の両方から選べ、mineoはドコモ・au・ソフトバンクの3回線に対応しています。営業エリアが広い会社や、社員ごとに使う場所が異なる会社では、複数回線から選べる事業者だと柔軟に割り当てできて便利です。
月額料金とデータ容量のバランスで選ぶ
料金は単純な月額の安さだけでなく、「必要なデータ容量に対して割安か」で判断します。外回りで地図やメールを使う程度なら3〜5GB、動画会議やクラウド作業が多いなら20GB以上、といったように社員の使い方ごとに必要量を見積もりましょう。
容量を使い切ると速度制限がかかるため、足りないと業務に支障が出ます。一方で大きすぎる容量は払い損です。最近は余ったデータを翌月へ繰り越せるサービスや、複数回線でデータを分け合えるシェアプランも増えており、こうした仕組みを使うと容量のムダを抑えられます。
かけ放題・通話オプションの有無で選ぶ
格安SIMの多くは、通話料が30秒あたり22円(または11円・9円など割安なもの)かかる従量制が基本です。電話をよくかける業務では、この通話料が積み重なって思わぬ負担になります。営業や問い合わせ対応で電話が多い会社は、5分・10分かけ放題や無制限かけ放題などの通話オプションが用意された事業者を選びましょう。
楽天モバイルのように専用アプリ経由で国内通話がかけ放題になるプランや、日本通信SIMのように一定の無料通話分が最初から付いたプランもあります。通話定額の料金や時間の条件は各社でかなり違うので、かけ放題が安い格安SIMの比較もあわせて見ておくと、自社の通話量に合う組み合わせを見つけやすくなります。1回あたりの通話が短いか長いかで、定額にすべきか従量制で十分かが変わるため、社内の通話傾向を一度確認しておくと選びやすくなります。
契約期間の縛り・解約金・初期費用で選ぶ
法人で導入するなら、最低利用期間や解約金、初期費用も必ず確認しましょう。最近は契約期間の縛りや高額な解約金を設けない事業者が増えていますが、法人プランでは個人向けと条件が異なる場合があります。
回線数が多いほど初期費用(事務手数料・SIM発行料)の総額も大きくなります。たとえばSIM1枚あたり3,300円程度の発行料がかかるサービスでは、10回線で3万円超の初期費用になります。短期での見直しや増減を見込むなら、縛りのない・初期費用の低い事業者を選ぶと身軽に運用できます。
請求のまとめやすさと管理画面の使いやすさで選ぶ
回線が増えるほど効いてくるのが、請求の一本化と管理のしやすさです。全回線分を1枚の請求書にまとめられると経理処理が大幅にラクになります。さらに、管理画面(法人向けポータル)で各回線のデータ使用量や利用状況を一括で確認できると、ムダな容量や使われていない回線を見つけやすくなります。
口座振替や請求書払いに対応しているか、専任の法人サポート窓口があるかも、業務での使い勝手を左右します。料金が同等なら、こうした管理機能やサポート体制の手厚さで選ぶのがおすすめです。
法人向け格安SIMおすすめ12選を料金・回線・特徴で徹底比較
ここからは、法人利用におすすめの格安SIM12社を具体的に紹介します。まずは全体像をつかめるよう、回線・データ容量の例・通話オプション・特徴を一覧表で比較します。気になるサービス名をタップすると、各社の詳しい解説へ移動できます。
| サービス | 主な回線 | 容量・月額の例 | 通話オプション | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
![]() IIJmio 法人ギガプラン |
ドコモ/au | 法人向けは5/10/20/40GB | 定額あり | 容量を細かく選べてシェアも可能。法人シェアの定番 |
![]() 楽天モバイル 最強プラン ビジネス |
楽天/au | 音声+データ3GB1,980円〜無制限2,980円(税抜) | アプリ国内かけ放題 | 専用アプリで国内通話かけ放題。データ無制限も |
![]() ワイモバイル |
ソフトバンク | シンプル3 S/M/L(5/30/35GB) | 定額あり | 大手品質に近い安定通信+法人契約割引 |
![]() UQ mobile |
au | トクトクプラン2/コミコミプランバリュー | 定額あり | au回線の安定感とわかりやすい料金 |
![]() mineo(mineo BiZ) |
ドコモ/au/SB | 法人はmineo BiZ 500MB〜30GB(700円税抜〜) | 定額あり | 3回線から選べてパケットシェアもしやすい |
![]() BIGLOBEモバイル(BIGLOBE biz.) |
ドコモ/au | シェアSIM 月220円〜 | 定額あり | 法人サポートと請求管理が手厚い |
![]() 日本通信SIM(b-mobile) |
ドコモ | シンプル290(1GB290円〜) | 無料通話付プランあり | 業界最安水準。低容量・低コスト運用に |
![]() HISモバイル |
ドコモ | 自由自在2.0(7GB990円等) | 通話9円/30秒 | 縛りなし・低容量で複数回線を持ちたい会社向け |
![]() イオンモバイル |
ドコモ/au | 0.5GB〜200GB+シェア | 定額あり | 容量の選択肢が豊富で店舗サポートも受けられる |
![]() NifMo |
ドコモ | 3GB〜+シェアプラン | 定額あり | 複数回線でデータを分け合えるシェアが便利 |
![]() NUROモバイル |
ドコモ/au/SB | バリュープラス3GB 792円等 | 定額あり | データ通信中心の端末向け(法人名義の契約は不可) |
| OCN モバイル ONE for Business | ドコモ | 10MB〜50GBコース(210円税抜〜) | — | ドコモ回線でM2M・業務端末にも |
IIJmio 法人ギガプラン|容量を細かく選んでムダなく使える

| 提供事業者 | インターネットイニシアティブ(IIJ) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ網・au網(選択可) |
| データ容量 | 法人向けIIJmio Bizは5GB/10GB/20GB/40GBの4プラン(個人向けギガプランは2GB〜55GBの8段階) |
| 通話オプション | 法人音声定額オプション 月額1,700円(税抜)など |
| 法人向けサービス | IIJmio Biz(複数回線のデータシェア・一括請求に対応/支払いは請求書・口座振替でクレジットカードは不可) |
| こんな会社に | 容量を細かく分けて多回線をムダなく運用したい会社 |
メリット
- 法人向けは5GB〜40GBの4プラン、個人向けギガプランなら2GB〜55GBの8段階と選択肢が豊富
- ドコモ網・au網の両方から選べ、エリアの不安が少ない
- 法人向けにデータシェアや一括請求が用意され、多回線管理に強い
デメリット
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい場面がある
- 店舗が少なく、サポートは基本オンライン中心
IIJmioは、総務省のシェアデータでもMVNO(SIMカード型)で首位に立つ老舗の格安SIMで、2026年3月末時点のシェアは24.9%と、法人導入の実績も豊富です。法人向けのIIJmio Bizは5GB・10GB・20GB・40GBの4プラン、個人向けのギガプランなら2GBから55GBまで8段階の容量から選べるため、通話メインの端末は小容量、外回りでデータをよく使う端末は大容量というように、社員の使い方に合わせてムダなく割り当てられます。
2026年3月1日には15ギガプランが音声SIMで月1,600円(税込)、データSIMで月1,400円(税込)へ値下げされるなど料金改定も続いており、コスト面でも見直しが進んでいます。法人向けのIIJmio Bizでは複数回線でデータを分け合えるため、容量の余り・不足を社内でならして使えるのも強みです。国内通話が定額になる法人音声定額オプションは月1,700円(税抜)で、支払いは請求書または口座振替に対応しています。回線管理を一本化しつつコストを抑えたい会社に、まず候補に挙げたい1社です。
楽天モバイル 法人プラン|通話コストを抑えたい会社向け

| プラン名 | Rakuten最強プラン ビジネス |
|---|---|
| 対応回線 | 楽天回線(エリア外はau回線でカバー) |
| 月額料金の目安 | 音声+データは3GB1,980円(税込2,178円)〜無制限2,980円(税込3,278円)/データ専用は3GB980円(税込1,078円)〜 |
| 通話オプション | Rakuten Link Officeアプリ(月額0円)で国内通話かけ放題/ワンストップかけ放題は最大75分まで月500円(税込550円)からの段階制 |
| こんな会社に | 電話が多く、通話コストを定額で抑えたい会社 |
メリット
- 専用アプリ経由で国内通話がかけ放題になり、通話料を気にせず使える
- データ無制限プランがあり、容量を気にせず使える端末を作れる
- 配送日時の指定なしなら最短4日でSIM・端末が届き、導入がスピーディー
デメリット
- 楽天回線のエリアは場所によって弱く、事前確認が必要
- かけ放題は専用アプリ利用が前提で、標準アプリ通話は別料金になる場合がある
楽天モバイルの法人プラン「Rakuten最強プラン ビジネス」は、専用アプリ「Rakuten Link Office」を使えば国内通話がかけ放題になるのが最大の特徴です。営業電話や問い合わせ対応が多く、通話料が読みにくい会社にとっては、定額で通話コストを固定できる安心感があります。
データも、音声+データ無制限プランなら容量を気にせず使えるため、外でクラウドや動画会議を多用する端末にも向きます。法人プランは使った量で自動的に変わる段階制ではなく容量ごとの固定料金で、音声+データは3GB1,980円(税込2,178円)・5GB2,380円(税込2,618円)・30GB2,780円(税込3,058円)・無制限2,980円(税込3,278円)、データ専用は3GB980円(税込1,078円)からという構成です。用途に応じて軽い端末と重い端末を組み合わせやすいのもポイントです。電波が届きにくいエリアではau回線でカバーされますが、利用エリアの相性は事前に確認しておくと安心です。
ワイモバイル|通信品質と法人割引のバランス重視

| 提供事業者 | ソフトバンク(ワイモバイル法人/ビジネス向け) |
|---|---|
| 対応回線 | ソフトバンク回線 |
| 主なプラン | シンプル3 S(5GB・2,980円)/M(30GB・3,980円)/L(35GB・4,980円)※いずれも税抜、シンプル2は2025年9月24日で新規受付終了 |
| 法人割引 | 法人契約割引3で2回線以上の契約時に基本料から1,000円(税抜)割引=シンプル3 Sなら1,980円 |
| こんな会社に | 大手に近い通信品質を保ちつつ多回線でコストを下げたい会社 |
メリット
- ソフトバンク回線で、混雑時も比較的安定した通信品質
- 法人契約割引で2回線以上の契約時に基本料が割り引かれる
- 全国の店舗で対面サポートを受けられる
デメリット
- 純粋なMVNOより月額はやや高めの水準
- 2026年6月2日にシンプル3が200円(税抜)値上げされている
ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドで、回線品質が大手キャリアに近いのが強みです。MVNOで気になりがちな混雑時間帯の速度低下が起きにくく、通信の安定性を重視する会社に向いています。現在の主力は「シンプル3 S/M/L」で、シンプル2は2025年9月24日に新規受付を終了しています。
法人で2回線以上を契約すると「法人契約割引3」で基本料から最大1,000円が割り引かれるため、回線数が多いほどコストメリットが出ます。全国に店舗があり対面サポートを受けられる点も、IT専任者がいない会社には心強いところです。なお2026年6月2日にシンプル3 S/M/Lは月額200円(税抜)の改定が行われました。2026年6月1日までにシンプル3を利用していた回線には、同年12月31日まで改定前と同額で使えるシンプル3 特別割引が適用されています。
UQ mobile|au回線の安定感とわかりやすい料金

| 提供事業者 | KDDI(UQ mobile) |
|---|---|
| 対応回線 | au回線 |
| 主なプラン | トクトクプラン2(最大30GB・月4,048円/割引適用で〜5GB時1,628円)/コミコミプランバリュー(35GB+10分かけ放題・月3,828円)※税込 |
| 通話オプション | 通話パック60が月660円、通話放題ライトが月880円、通話放題が月1,980円(税込) |
| こんな会社に | au回線の安定感と分かりやすい料金で運用したい会社 |
メリット
- au回線のサブブランドで通信品質が安定している
- 使った量に応じて割引されるトクトクプラン2など料金が分かりやすい
- かけ放題込みのコミコミプランバリューも選べる
デメリット
- 純粋なMVNOより月額は高めで、安く見える料金は自宅セット割など個人向け割引の適用が前提
- 大容量・無制限の選択肢はキャリアプランより限られる
UQ mobileはauのサブブランドで、au回線をそのまま使えるため通信品質が安定しているのが魅力です。現在のおすすめは、5GB以下なら割引される「トクトクプラン2」と、35GB+10分かけ放題がセットの「コミコミプランバリュー」の2本立て。データ利用量が月によって変わる端末でも、使った分に応じて料金が決まるため管理しやすい構成です。
通話オプションは通話パック60が月660円、通話放題ライトが月880円、通話放題が月1,980円(いずれも税込)と、通話量に合わせて選べます。ただし1,628円といった安い料金は自宅セット割などの割引適用時のもので、割引がない場合のトクトクプラン2は月4,048円(税込)である点は押さえておきましょう。混雑時の速度低下が起きにくいサブブランドならではの安定感があるため、「格安にはしたいが品質は妥協したくない」という会社に向いています。
mineo(mineo BiZ)|回線を選べてシェアもしやすい

| 提供事業者 | オプテージ |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ/au/ソフトバンクの3回線 |
| 主なプラン | 個人向けマイピタは3GB/7GB/15GB/30GB/50GBで月額1,298円〜、法人向けmineo BiZは500MB/3GB/6GB/10GB/20GB/30GBで月700円(税抜)〜 |
| シェア機能 | 余った容量を翌月に社内でシェア可能(ドコモ・au・ソフトバンクの各プラン間でもシェアできる) |
| こんな会社に | 端末ごとに回線を使い分け、データを社内でシェアしたい会社 |
メリット
- ドコモ・au・ソフトバンクの3回線から選べて柔軟
- 回線の種類が違ってもパケットシェアで余ったデータを分け合える
- 独自サービスが豊富でユーザー満足度が高い
デメリット
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい
- 法人契約の場合は一部キャンペーンの対象外になることがある
mineoは、ドコモ・au・ソフトバンクの3回線すべてに対応している珍しい格安SIMです。社員ごとに使う場所やつながりやすさが違う会社でも、端末ごとに最適な回線を選べるため、エリアの不安を抑えられます。総務省データでもMVNOの上位に入る規模で、運用実績の面でも安心感があります。
個人向けのマイピタはデータ容量を3GB〜50GBから選べて月額1,298円から(2025年11月に基本容量が増量されました)、法人向けのmineo BiZは500MBから30GBまでの6段階で月700円(税抜)からと、用途に合わせて細かく選べます。パケットシェアを使えば余ったデータを翌月に別の回線と分け合えるため、容量のムダを抑えながら多回線を運用できます。SIMごとに利用できる端末を指定したり、紛失時にSIMを緊急停止したりできるなど、業務利用で安心な機能がそろっているのも法人向けならではです。
BIGLOBEモバイル(BIGLOBE biz.)|請求管理や法人サポートが手厚い

| 提供事業者 | ビッグローブ(法人向けはBIGLOBE biz.) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ/au |
| シェアSIM | 契約容量を複数端末で分け合えるシェアSIM 月額220円(税込)〜(3ギガ以上のプランが対象・最大4枚) |
| 法人向け施策 | 法人会員向けに対象プランで月額200円(税別)の割引など |
| こんな会社に | 請求の一本化や法人サポートを重視する会社 |
メリット
- 法人向けBIGLOBE biz.で請求管理やサポートが手厚い
- シェアSIMで1契約のデータを複数端末で分け合える
- 法人会員向けの割引が用意されている
デメリット
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい
- 2026年8月利用分から法人プランの料金体系が変わり、割引の対象になるかの確認が必要
BIGLOBEモバイルは、法人向けに「BIGLOBE biz.」という専用ブランドを用意しており、請求管理やサポート体制の手厚さが評価されています。経理処理を一本化したい会社や、導入後のフォローを重視する会社に向いています。
データを複数端末で分け合えるシェアSIMは月額220円(税込)からで、3ギガ以上のプランを契約していれば最大4枚まで追加でき、1つの契約容量を社内の複数端末でならして使えます。なお法人BIGLOBEモバイルは2026年8月1日に料金体系が見直され、対象プランの料金が月200円(税別)引き上げられた一方で、法人会員には契約ごとに同額のモバイル法人割が適用されるため、請求額の合計は変わらない仕組みになっています。自社の契約が割引の対象になるかを、導入前に確認しておくと安心です。
日本通信SIM(b-mobile)|とにかく月額を最安にしたい会社向け

| 提供事業者 | 日本通信 |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ回線 |
| 主なプラン | 合理的シンプル290(1GB込290円・1GB追加220円)/合理的みんなのプラン(20GB+70分無料通話 1,390円)/合理的50GBプラン(50GB+70分無料通話 2,178円) |
| 通話 | 無料通話分が付くプランあり・5分かけ放題なども選択可 |
| こんな会社に | 低容量・低コストで多数の回線を持ちたい会社 |
メリット
- 1GB込290円〜という業界最安水準の料金
- みんなのプランは20GB+無料通話付きで使い勝手が良い
- 必要に応じて1GB単位で容量を追加できる
デメリット
- ドコモ回線のみで、au・ソフトバンクは選べない
- サポートはオンライン中心で店舗がない
日本通信SIMは、料金の安さを徹底的に追求した格安SIMです。「合理的シンプル290」は1GB込みで月額290円、足りなければ1GB単位(220円)で追加でき、ほとんど通話だけの端末や予備回線を最安コストで持ちたい会社にぴったりです。
通話が必要な端末には、20GB+70分の無料通話が付いて月額1,390円の合理的みんなのプランが便利です。無料通話分は5分かけ放題に切り替えられ、データの上限はマイページで20GBから50GBまで1GB単位で設定できます。もっとデータを使う端末には、50GB+70分の無料通話で月額2,178円のプランも選べます。法人向けにも1回線あたり月290円からのプランが用意されており、回線はドコモ網のみで店舗サポートはないものの、1回線あたりの単価を抑えたい会社には有力な選択肢です。
HISモバイル|縛りなし・低容量で複数回線を持ちたい会社向け

| 提供事業者 | HISモバイル |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ回線 |
| 主なプラン | 自由自在2.0(7GB 990円・10GB 1,340円・20GB 2,090円※6分かけ放題込み など)/法人は音声通話プラン for Biz |
| 通話 | 通話料9円/30秒・6分かけ放題500円/完全かけ放題1,480円(税込・専用アプリ不要) |
| こんな会社に | 縛りを避けつつ低容量で多数の回線を持ちたい会社 |
メリット
- 通話料が9円/30秒と業界でも割安
- 5〜10GB帯がリーズナブルで使い勝手が良い
- 縛りが少なく、回線の増減がしやすい
デメリット
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい
- 大容量・無制限の選択肢は少なめ
HISモバイルは、低〜中容量帯のコストパフォーマンスに優れた格安SIMです。「自由自在2.0」プランは7GBで990円、10GBで1,340円と、5〜10GBを安定して使う端末に向いた価格設定。通話料も9円/30秒と割安で、短い通話が多い業務でも通話コストを抑えやすいのが魅力です。
法人向けには音声通話プラン for Bizが用意されており、100MBの月290円から契約できます。20GB(2,090円)と30GB(2,970円)には6分かけ放題が含まれ、単体で付ける場合も6分かけ放題が月500円、完全かけ放題が月1,480円(いずれも税込)と割安です。かけ放題に専用アプリが不要で、標準の電話アプリのまま高音質のVoLTEで通話できる点も業務向きです。回線はドコモ網のみですが契約の縛りが少なく、回線の追加・解約を柔軟に行いたい会社に向いています。日本通信SIMが超ライトユーザー向けなのに対し、HISモバイルは5〜10GB帯を中心に使う端末向け、という棲み分けで考えると選びやすいでしょう。
イオンモバイル|回線数が多く店舗サポートも受けたい会社向け

| 提供事業者 | イオンリテール(イオンモバイル) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ/au |
| データ容量 | 0.5GB〜200GBと幅広く、シェアプランにも対応 |
| サポート | 全国のイオン店舗で対面サポートを受けられる |
| こんな会社に | 回線数が多く、店舗での対面サポートも欲しい会社 |
メリット
- 0.5GB〜200GBと容量の選択肢が非常に幅広い
- シェアプランで複数SIMにデータを分配できる
- 全国のイオン店舗で対面サポートを受けられる
デメリット
- シェアプランは追加SIM1枚につき月220円(税込)と発行料3,300円がかかる
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい
イオンモバイルは、0.5GBから200GBまで容量の選択肢が非常に幅広く、用途に応じてきめ細かく選べるのが特徴です。データ容量を複数のSIMで共有できるシェアプランにも対応しており、1〜200GBの中から契約容量を決めて社内の端末で分け合えます。
最大の強みは、全国のイオン店舗で対面サポートを受けられること。IT専任者がいない会社でも、店頭で相談しながら導入・運用できる安心感があります。なおシェアプランは追加するSIM1枚につき月220円(税込)がかかり、SIM発行料も1枚あたり3,300円かかるため、回線数が多い場合は初期費用も含めて試算しておきましょう。法人契約では履歴事項全部証明書などの法人確認書類と担当者の本人確認・在籍確認書類が必要で、請求書払い(銀行振込・口座振替)を希望する場合は店頭ではなく法人向けの問い合わせフォームからの申し込みになります。
NifMo|社員間でデータを分け合えるシェアプラン

| 提供事業者 | ニフティ(@nifty) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ回線 |
| シェア機能 | 法人向けはシェアプランでデータ容量を分け合える(追加SIMの枚数制限なし) |
| 容量加算 | 個人向けはファミリープログラムのおまとめボーナスで容量が増える |
| こんな会社に | 複数回線でデータをまとめて分け合いたい会社 |
メリット
- 法人向けのシェアプランは追加SIMの枚数制限がなく、複数回線でデータを分け合える
- 最低利用期間も解約違約金もなく、回線の増減がしやすい
- ドコモ回線で広いエリアをカバー
デメリット
- 回線はドコモ網のみで、他回線は選べない
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい
NifMoは、ニフティが提供するドコモ回線の格安SIMで、複数回線でデータを分け合えるシェアプランが特徴です。法人向けは1GB・3GB・7GBの基本プランにシェアプランを組み合わせる形で、追加できるSIMの枚数に制限がありません。音声通話対応SIMは月700円(税別)、SMS対応SIMは月150円(税別)の加算で、最低利用期間や解約違約金がない点も回線の増減がある会社に向いています。
回線ごとの使用量に差がある会社でも、容量を社内で融通し合えるため、ある端末は余り、別の端末は足りないというムダを抑えられます。2026年8月にはeSIMの提供も始まり、SIMカードの郵送を待たずに開通できる端末が増えました。回線はドコモ網のみですが、エリアの広さは安心材料。データシェアを軸に多回線を運用したい会社に向いています。
NUROモバイル|データ通信中心の端末・タブレット運用向け

| 提供事業者 | ソニーネットワークコミュニケーションズ |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ/au/ソフトバンク |
| 主なプラン | バリュープラス(3GB 792円〜)/NEOプラン(専用帯域で安定) |
| 容量加算 | Gigaプラスで3か月ごとにデータ容量が追加 |
| こんな会社に | データ通信中心の端末を安く運用したい会社(ただし契約名義は個人のみ) |
メリット
- 3GB 792円〜と業界最安水準の料金
- Gigaプラスで3か月ごとにデータ容量が追加される
- NEOプランは専用帯域で安定した高速通信が可能
デメリット
- 法人名義では契約できず、法人契約が必要ならNURO Bizのモバイルサービスなどを使うことになる
- 店舗がなくサポートはオンライン中心
NUROモバイルは、ソニーグループが運営する格安SIMで、料金体系は「バリュープラス」と「NEOプラン」の2つ。バリュープラスは3GBで792円からと業界最安水準で、3か月ごとにデータ容量が追加されるGigaプラスもあり、データ通信中心の端末をお得に運用できます。社用タブレットに入れるSIM選びは、iPad向け格安SIMの比較も参考になります。
タブレットやモバイルルーター、データ専用端末を安く持ちたいときに向いています。より安定した通信が必要な端末には、専用帯域を使って高速通信できるNEOプランも選択可能。ドコモ・au・ソフトバンクの3回線に対応しているため、エリアや既存環境に合わせて回線を選べるのも便利です。ただし公式のよくある質問でも案内されているとおり、NUROモバイルは法人契約を受け付けていません。契約は個人名義になるため、法人名義でまとめたい場合は同じソニーグループのNURO Bizが提供する法人向けモバイルサービスや、次に紹介するOCN モバイル ONE for Businessを検討しましょう。
OCN モバイル ONE for Business|ドコモ回線でM2M・業務端末にも
| 提供事業者 | NTTドコモビジネス(2025年7月にNTTコミュニケーションズから社名変更) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ回線 |
| 主な用途 | 業務端末・M2M/IoT・リモートアクセスなど法人専用 |
| 機能 | 通常プランとテレワークプランの2種類・どちらも容量シェアと容量追加をオプションで利用可 |
| こんな会社に | ドコモ回線でM2M・業務端末をまとめて運用したい会社 |
メリット
- 法人専用に設計され、M2M・IoTや業務端末の運用に向く
- ドコモ回線で広いエリアをカバー
- 容量シェアなど法人向けの管理機能がそろう
デメリット
- データ通信が中心で、SMSはフルMVNO(Type Com)では利用できない
- 個人向けOCN モバイル ONEとは別サービスのため混同に注意
OCN モバイル ONE for Businessは、NTTコミュニケーションズ(NTTドコモビジネス)が提供する法人専用の格安SIMサービスです。ドコモ回線を使い、業務端末はもちろん、M2M・IoT機器やリモートアクセスといった業務システム寄りの用途にも対応しているのが特徴です。容量シェアなど、複数回線をまとめて運用するための仕組みも用意されています。
個人向けのOCN モバイル ONEとは別物で、業務利用に最適化された設計になっています。料金は10MBコースの月210円(税込231円)から50GBコースまで細かく用意され、混雑時にオンライン会議アプリを優先制御するテレワークプランも選べます(7GBコースで月1,900円・税込2,090円)。どのプランでも容量シェアと容量追加をオプションで利用できるため、回線ごとの使用量の差もならせます。ドコモ回線で安定したエリアを確保しつつ、業務端末や機器をまとめて運用したい会社に向いています。
料金タイプ別に見る法人格安SIMの選び方
12社を見てきても「自社にはどれが合うのか」が決めきれないこともあります。そこで、よくある4つのニーズ別に、特に相性の良いサービスを具体的に紹介します。それぞれのサービスについて、その切り口に合わせた概要表・メリデメ・公式リンクをまとめました。
とにかく安さ重視の会社におすすめのSIM
通話もデータもそれほど使わず、1回線あたりの単価を限界まで下げたい会社には、日本通信SIMが最有力です。1GB込み290円という料金は業界最安水準で、予備回線や通話メインの端末を大量に持つほどコスト差が効いてきます。
| おすすめプラン | 合理的シンプル290(1GB込290円・1GB追加220円) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ回線 |
| 安さの理由 | 最小構成なら月290円〜・使った分だけ追加する従量型 |
| 向いている使い方 | 低容量・予備回線・通話メインの端末を多数持つ運用(法人向けプランも月290円から) |
メリット
- 1回線あたりの基本コストを最小に抑えられる
- 1GB単位で追加でき、ムダな容量を持たずに済む
デメリット
- ドコモ回線のみで店舗サポートがない
- データを多く使う端末には割高になりやすい
通話が多い会社におすすめのSIM
営業電話や問い合わせ対応で通話量が多く読みにくい会社には、専用アプリで国内通話がかけ放題になる楽天モバイルが向いています。通話料を定額に固定できるため、月ごとの請求が安定し、通話の多い端末ほどメリットが大きくなります。
| おすすめプラン | Rakuten最強プラン ビジネス(音声+データプラン) |
|---|---|
| 通話の強み | Rakuten Link Officeアプリで国内通話かけ放題 |
| 料金の目安 | 音声+データ3GB1,980円(税込2,178円)〜/無制限は2,980円(税込3,278円) |
| 向いている使い方 | 長電話が多い営業・サポート端末 |
メリット
- 専用アプリのRakuten Link Officeは月額0円で、国内通話がかけ放題になる
- データ無制限プランもあり通話とデータを1台でまかなえる
デメリット
- かけ放題は専用アプリ利用が前提
- 楽天回線のエリアは事前確認が必要
なお、通話が「短いものを数多く」というタイプなら、無料通話分が付いた日本通信SIMの「合理的みんなのプラン」(20GB+70分無料通話 1,390円)や、通話9円/30秒のHISモバイルも比較対象になります。
データ通信が中心の会社におすすめのSIM
タブレットやモバイルルーター、データ専用端末など通話よりデータ通信が中心の用途には、NUROモバイルが向いています。低容量から手頃な料金で、3か月ごとに容量が追加されるGigaプラスもあり、データ運用のコスパに優れます。ただしNUROモバイルは法人契約に対応していないため、契約名義を法人にしたい場合は、ドコモ回線で10MBコース月210円(税抜)から選べるOCN モバイル ONE for Businessが現実的な選択肢になります。
| おすすめプラン | バリュープラス(3GB 792円〜)/安定重視ならNEOプラン |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ/au/ソフトバンク |
| データの強み | Gigaプラスで3か月ごとに容量追加・NEOプランは専用帯域 |
| 向いている使い方 | タブレット・データ専用端末・社用ルーター(契約名義は個人) |
メリット
- データ中心の運用に向いた業界最安水準の料金
- 3回線対応でエリアや既存環境に合わせて選べる
デメリット
- 法人名義では契約できないため、法人契約が前提ならOCN モバイル ONE for BusinessやNURO Bizを検討する
- サポートはオンライン中心
回線数が多く管理を一本化したい会社におすすめのSIM
回線数が多く、請求の一本化やデータシェアで管理をラクにしたい会社には、法人向けのデータシェアと一括請求がそろうIIJmioが有力です。容量を細かく選びつつ社内で分け合えるため、ムダを抑えながら多回線をまとめて運用できます。
| おすすめプラン | IIJmio 法人ギガプラン(IIJmio Biz) |
|---|---|
| 対応回線 | ドコモ網・au網(選択可) |
| 管理の強み | 複数回線のデータシェア・一括請求に対応(支払いは請求書・口座振替) |
| 向いている使い方 | 多回線をまとめて管理し、容量を社内で融通したい運用 |
メリット
- データシェアと一括請求で多回線の管理がラク
- 法人向けは5GB・10GB・20GB・40GBの4プランから選べてムダがない
デメリット
- 混雑時間帯は速度が落ちやすい場面がある
- サポートはオンライン中心
請求管理や法人サポートをより重視するなら、専用ブランドのBIGLOBE biz.や、店舗で相談できるイオンモバイルも候補になります。
3年間で本当にいくら安くなる?大手キャリアとの総額シミュレーション
格安SIMの「安い」を実感するには、月額だけでなく数年単位の総額で見るのが効果的です。ここでは、社用スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換えた場合に、どのくらいの差額が生まれるのかをモデルケースで試算します。※金額はイメージをつかむための概算で、実際の料金は各社の最新プランをご確認ください。
10回線を3年使ったときの大手キャリアとの差額
仮に大手キャリアで1回線あたり月7,000円かかっているとすると、10回線では月70,000円、3年(36か月)で約252万円になります。これを、月額2,000円前後の格安SIMに置き換えると、10回線で月20,000円、3年で約72万円。
差額は3年で約180万円にのぼります。回線数や使い方によって金額は変わりますが、回線が多い会社ほど、わずかな月額差が大きな総額差になることが分かります。
かけ放題を付けた場合の総額比較
通話が多い会社では、かけ放題オプションを付けた前提で比較するのが現実的です。たとえば格安SIM側に月1,000〜1,700円程度のかけ放題を付けると、月額は3,000〜3,700円ほど。それでも大手キャリアの月7,000円と比べれば、1回線あたり月3,000円超の差が残ります。
10回線・3年なら、かけ放題込みでも100万円以上のコスト削減が見込めます。「通話定額を付けたら結局高くなるのでは」と心配されがちですが、オプションを足しても大手より割安に収まるケースが多いのが実情です。
端末代・初期費用まで含めた実質コストの見方
正確に比較するなら、月額だけでなく初期費用と端末代も含めた総額で見ます。格安SIMは事務手数料やSIM発行料(1枚3,300円程度のことも)がかかり、回線数が多いほど初期費用も増えます。端末を新調するなら、その代金も加味が必要です。
ただし、これらは初回のみの費用で、毎月の月額差が大きいぶん、数か月〜1年程度で初期費用を回収できるケースがほとんどです。「初期費用+端末代+月額×利用月数」でトータルを比べると、格安SIMの優位性がより正確に見えてきます。手持ち端末をそのまま使えれば、端末代を抑えてさらにお得になります。
法人で格安SIMを導入するメリット
ここで、法人が格安SIMを導入することで得られる主なメリットを整理しておきましょう。コスト面だけでなく、運用のしやすさにも利点があります。
通信コストを大きく削減できる
最大のメリットは、やはり通信コストの削減です。前章のシミュレーションのとおり、1回線あたり月数千円の差が、回線数と利用年数に比例して大きな金額になります。固定費を継続的に下げられるため、会社の利益率改善に直結します。
特に社用スマホの台数が多い会社ほど効果が大きく、削減できた費用を他の投資に回せるのも見逃せない利点です。
必要な容量だけ選べてムダがない
格安SIMは容量の選択肢が細かく、端末ごとに必要な分だけ契約できるのも強みです。通話メインの端末は最小容量、データをよく使う端末は大容量、というように使い分ければ、払い損になる容量を持たずに済みます。
シェアプランやパケットシェアを使えば、余った容量を別の回線に回せるため、社内全体でムダなくデータを使えます。「全員に大容量プランを一律で」という大手キャリア型の契約に比べ、実態に合った最適化がしやすいのです。
請求を一本化して経費精算がラクになる
法人契約では、複数回線分の料金を1つの請求にまとめられるため、経理処理が大幅に簡単になります。回線ごとにバラバラの明細を確認する手間がなくなり、口座振替や請求書払いに対応していれば支払い管理もスムーズです。
管理画面で各回線の利用状況を一括で見られるサービスなら、使われていない回線やムダな容量も発見しやすく、継続的なコスト最適化にもつながります。
法人で格安SIMを導入するときに知っておきたい弱点
メリットの大きい格安SIMですが、導入前に知っておくべき弱点もあります。あらかじめ理解しておけば、運用での「こんなはずでは」を防げます。
昼や夕方に通信速度が落ちやすい
MVNOは大手キャリアから借りた帯域の範囲で通信するため、利用者が集中する昼休み(12時台)や夕方などに速度が落ちやすい傾向があります。メールやチャット程度なら影響は小さいものの、動画会議や大容量ファイルのやり取りが多い業務では不満を感じることがあります。
対策としては、サブブランド(ワイモバイル・UQ mobile)など比較的安定した事業者を選ぶ、速度が重要な端末だけ品質重視のプランにする、といった使い分けが有効です。実測の傾向は速度が速い格安SIMのランキングでも比較しているので、動画会議が多い部署の回線を決めるときの参考にしてください。導入前に該当エリア・時間帯で試せると安心です。
サポート窓口や店舗が大手より少ない
格安SIMは店舗を持たない事業者が多く、サポートはオンラインや電話が中心になります。トラブル時にすぐ対面で相談したい会社にとっては、これがハードルになることがあります。
IT専任者がいない会社では、店舗サポートのあるイオンモバイルやワイモバイル、法人専用窓口が用意された事業者を選ぶと安心です。導入後のサポート体制も、料金と同じくらい重視して選びましょう。
キャリアメールや一部の割引が使えないことがある
格安SIMでは、キャリアメール(@docomo.ne.jp など)が標準では使えない場合があります。業務で特定のメールアドレスが必要な場合は、Gmailなどのフリーメールや独自ドメインのメールに切り替える準備をしておきましょう。
また、大手キャリア独自の家族割や各種割引、キャリア決済の一部などは利用できないことがあります。乗り換え前に、業務で使っているサービスが格安SIMでも問題なく使えるかを確認しておくと、移行後のトラブルを防げます。
法人格安SIMの契約から利用開始までの流れ
実際に法人で格安SIMを契約する場合の流れを、3つのステップで確認しておきましょう。事前に準備しておくと、申し込みから利用開始までスムーズに進みます。
申し込みに必要な書類をそろえる
法人契約では、個人契約と違って会社を証明する書類が必要になります。一般的には、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)や、申し込み担当者の本人確認書類、場合によっては名刺や在籍確認の書類などが求められます。登記事項証明書は法務局の窓口や郵送のほか、法務省が案内する会社・法人の登記事項証明書等の請求手続きを使えばオンラインでも取得でき、回線数が多いときも準備がスムーズです。
必要書類は事業者やプランによって異なるため、申し込み前に公式サイトや窓口で確認し、早めに準備しておくと手続きがスムーズです。支払い方法(口座振替・クレジットカード・請求書払い)に応じた書類も併せて確認しておきましょう。
プラン・回線数を決めて申し込む
次に、社員ごとの使い方を踏まえてプランと回線数を決めます。通話メインの端末・データ中心の端末・予備回線など、用途別に必要な容量と通話オプションを整理すると、ムダのない構成になります。
回線数が多い場合は、データシェアや一括請求に対応した事業者を選ぶと管理がラクです。決まったら公式サイトや法人窓口から申し込みます。回線が多い場合は、見積もりや個別相談に対応してくれる事業者もあるので活用しましょう。
SIM到着後の初期設定と運用スタート
申し込み後、最短で数営業日ほどでSIM(や端末)が届きます。手持ち端末を使う場合は、SIMを挿入してAPN(接続先)設定を行えば通信が開始されます。電話番号を引き継ぐ場合は、MNP(番号ポータビリティ)の手続きも行います。
複数回線をまとめて導入する場合は、各端末に正しいSIMを割り当て、管理画面で利用状況を確認できる状態にしておくと運用がスムーズです。設定が不安な場合は、サポート窓口や店舗を活用して、確実に利用開始まで進めましょう。
法人契約で失敗しないための注意点
最後に、法人契約で後悔しないために事前に押さえておきたい注意点を3つ紹介します。導入前のひと手間が、運用後のトラブルを防ぎます。
法人名義で契約できるか事前に確認する
格安SIMの中には、法人名義での契約に対応していないサービスや、対応していてもプランが限られるケースがあります。個人向けの料金表だけを見て決めると、いざ申し込もうとしたときに法人契約ができない、ということもあり得ます。
契約前に、その事業者が法人契約に対応しているか、希望のプランが法人でも使えるかを必ず確認しましょう。法人専用ブランド(IIJmio Biz、BIGLOBE biz. など)があるサービスは、法人運用を前提に設計されているため安心です。
使うエリアの通信品質をチェックする
回線によってつながりやすいエリアや混雑時の速度は変わります。社員がよく使う場所(オフィス・営業先・現場など)で、実際に快適に使えるかを事前に確認しておくことが大切です。
可能なら少数の回線で試験導入してから本格展開すると、エリアや速度のミスマッチを防げます。すでに大手キャリアで快適に使えているなら、同じ回線を使うMVNOを選ぶとエリアの不安を抑えられます。
解約条件と最低利用期間を確認する
契約前には、最低利用期間・解約金・MNP転出の条件も必ず確認しましょう。法人プランは個人向けと条件が異なる場合があり、想定外の解約金が発生することもあります。
携帯電話の契約をめぐるトラブルは消費生活相談でも一定数あり、国民生活センターも格安スマホは料金だけでなくサービス内容や手続き方法も確認するよう呼びかけています。電気通信事業法では契約前の説明義務や書面交付義務などの消費者保護ルールが定められているので、総務省の解説にも目を通したうえで条件を確認しておくと安心です。回線の増減や見直しを見込むなら、縛りの少ない・解約条件が明確な事業者を選ぶと、後から柔軟に運用を調整できます。
法人向け格安SIMに関するよくある質問
最後に、法人向け格安SIMを検討する際によく寄せられる質問にまとめてお答えします。
個人事業主でも法人プランで契約できますか?
多くの事業者で、個人事業主の方も法人向け(事業者向け)プランで契約できます。ただし、必要書類が法人とは異なる場合があり、開業届の控えや本人確認書類などが求められることが一般的です。事業者によって対応が分かれるため、申し込み前に「個人事業主が対象か」「必要書類は何か」を確認しておくと安心です。
クレジットカードがなくても口座振替で契約できますか?
法人契約では、口座振替や請求書払いに対応している事業者が多く、クレジットカードがなくても契約できるケースが一般的です。対応状況の違いは口座振替できる格安SIMの比較でも整理しています。ただし、支払い方法はサービスやプランによって異なるため、希望する支払い方法に対応しているかを事前に確認しましょう。請求書払いに対応していると、経理処理がよりスムーズになります。
今使っている電話番号はそのまま引き継げますか?
MNP(番号ポータビリティ)を利用すれば、今使っている電話番号をそのまま引き継いで乗り換えられます。手続きには、現在の契約先で発行するMNP予約番号(または事業者間で完結するワンストップ方式)が必要です。制度の概要や対応事業者は、総務省の携帯電話・PHSの番号ポータビリティに関する案内で確認できます。回線数が多い場合は、番号の移行スケジュールを整理しておくと、業務に支障なく切り替えられます。
1回線だけの少人数の会社でも契約できますか?
1回線から法人契約できる事業者も多くあります。少人数の会社や、まずは試験的に1〜数回線だけ導入したいというケースでも問題ありません。回線数が増えてから割引が効くサービスもあるため、将来の増設を見込むなら、回線数に応じた割引のある事業者を選んでおくと、拡大時にもコストメリットを得やすくなります。
大量の回線をまとめて申し込むことはできますか?
多くの法人向けサービスで、数十〜数百回線といった大量の回線をまとめて申し込めます。回線数が多い場合は、見積もりや個別の相談に対応してくれる事業者もあり、データシェアや一括請求を使えば管理も効率化できます。台数が多いほど初期費用(SIM発行料など)の総額も大きくなるため、事前に試算しておきましょう。
大手キャリアから乗り換えるとサポートは不安ですか?
格安SIMは店舗が少なくオンラインサポート中心の事業者が多いため、対面サポートを重視する会社は不安に感じることがあります。その場合は、店舗サポートのあるイオンモバイルやワイモバイル、法人専用窓口が用意された事業者を選ぶと安心です。導入前にサポート体制を確認し、自社のITリテラシーに合った事業者を選ぶことが、乗り換え後の安心につながります。





