ジッター値は「Ping値」と何が違う?通信速度やラグへの影響から測定方法まで徹底解説

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ジッター値とは

「ジッター値」とは、ネット回線の応答速度を示す指標である「 Ping値? 」のブレ(振り幅・揺らぎ)を表す数値のことです。

いわゆるネットの遅延やラグは、通信速度だけではなく「Ping値」に問題があることもあります。
また、その「Ping値」が良好であっても、それが一時的な状態でしかなければ快適な通信状態とは言えません。

つまり、「ジッター値」は通信状態の安定性を図る指標なのです。

この記事では、ジッター値の基礎知識から測定方法、改善策までを解説しています。
快適な通信環境を構築するために、ぜひ覚えておきましょう。

この記事のもくじ

「ジッター値」とは?

スピードテスト(2024年12月)

ジッター値は「Ping値」のブレを数値化したもので、通信状態の安定性を図る指標です。

そのため「ジッター値」を活用するには、まず「Ping値」を理解しておく必要があります。

Ping値とは?

ping値とは?タイトル画像

「Ping値」とは、通信回線の応答速度を示す数値です。
通信速度とは異なる指標で、データがデバイスとサーバー間をどれくらいの時間をかけて往復するのかを示しています。

例えば、ゲームで入力したコマンドがどれくらいスピードで反映されるかという「反応速度」を数値化したのが「Ping値」です。

Ping値(ぴんぐち、ぴんち)
  • デバイスとサーバー間のデータ送信時間のこと
  • 数値が低いほどレスポンスが良い
  • 単位はms(ミリ秒、millisecond)

WebやSNSといった用途であれば、Ping値はそれほど気にする必要はありません。
ただし、オンラインゲームやライブ配信においてPing値が高いと「ラグ」を感じることになります。

つまり、通信速度だけではなく「Ping値を低くすること」も快適なネット環境には重要なのです。

Ping値とジッター値の関係性

ここまで述べた通り「Ping値とジッター値は関係性の強い数値」です。

Ping値は、データの送受信にかかる時間を表します。
一方、ジッター値はその時間のバラつき具合を表します。

  • Ping値が低い  =データの送受信にかかる時間が短い
  • ジッター値が低い=送受信にかかる時間にバラつきが少ない

Ping値が低いとレスポンスが良く、快適なネット環境が望めます。
しかし、その「Ping値」は様々な要因で上下します。

の振り幅や揺らぎを数値化した指標が「ジッター値」ということになります。
Ping値とジッター値の両方が低いことで、「安定した通信状態」と言えるでしょう。

そのPing値は偶然なのか、恒常的なものなのかを判断する指標として利用されるのです。

「ジッター値」と「通信速度」の違い

回線速度

通信速度は、1秒間にどれだけのデータ量を送受信できるかを表します。
一方、ジッター値はデータの送受信時間のバラつきを表すため、両者はまったく別物です。

  • 通信速度……1秒間に送信できるデータ量
    単位は「bsp」
  • Ping値………端末間のデータ送受信にかかる時間
    単位は「ms」
  • ジッター値…Ping値の振り幅・揺らぎの値。
    単位は「ms」

通信速度が速くても、Ping値やジッター値が高いと通信品質は悪くなります。

車の運転を例にした場合…
安定した走行速度(=通信速度)で走っていても、アクセルやブレーキを踏んだときにタイムラグがあれば(=Ping値が高い)ストレスを感じるでしょう。
そして、そのラグのタイミングが毎回異なった場合(=ジッター値が高い)は快適なドライブにはなりません。

同じように、通信速度が速くてもPing値が高いとストレスを感じますし、Ping値が大きく変動すると通信環境は不安定となるのです。

オンラインゲームにおけるジッター値の重要性

ゲーミングデバイス コントローラー

オンラインゲーム、特に反応速度が重視される格闘やシューティングジャンルでは、Ping値がゲームプレイに大きな影響を与えます。
そして、Ping値が低くても、ジッター値が高い場合はラグが生じやすくなります

ゲームを快適にプレイするためには、ジッター値も重要なのです。
編集部が以前取材した元プロゲーマーも、以下のように語っていました。

「ジッター値が高い状態では、どれだけ速度が速くてもどうしようもないラグに襲われます。回線速度とともに、ジッター値にも気を付けたいところです」

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ジッター値の目安はどれくらい?

ツマミを上下して調整する男性

では、ジッター値はどれくらいが正常なのでしょうか。
理想的なジッター値は「0ms」ですが、現実的には不可能です。

あくまで目安となりますが、光回線を利用していて常に「10ms」を超えるようであれば問題がある可能性があります。

ただし、上記の数値を超えていても問題なく利用できる場合もあれば、下回っていても不具合が生じる場合もあります。
そのため、「これくらいのジッター値ならOK」という明確な基準もありません

大切なのは、ジッター値が大きすぎると通信品質に悪影響を与えることを理解し、必要に応じて改善策を講じることです。

ジッター値の測定方法

スピードテスト結果とping/jitter値
▲webやアプリで簡単に測定できる「USENスピードテスト」

ジッター値を測定するには以下の方法があります。

  1. 速度測定アプリやツール、サイトを使用する
  2. PCで測定する

インターネット上には、通信速度を測定できるサイトやアプリが多数存在します。

これらの中には、ジッター値の測定もできるものがあり「インターネット 速度テスト」などで検索すると、次のようなツールがたくさん見つかります。

なお、利用方法は簡単な一方で測定方法や精度が異なるため、なるべく複数のツールで測定し、結果を比較することをおすすめします。

コマンドプロンプト
▲PCでの測定は初心者にとってハードルが高い(画像はイメージ)

PCの場合はWindowsであれば「コマンドプロンプト」を、Macなら「ターミナル」を使用することでネットワーク環境に関する詳しい情報を見ることができます。

ただし、PCに詳しくない人にとってはハードルが高く、慣れていない人にはあまりおすすめしません

ジッター値が高くなる主な原因は?

ジッター値が高くなる原因は様々ですが、主に以下がポイントになります。

  • Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器に不具合がある
  • 回線が混雑していて不安定な通信環境である
  • スマホやPCといったデバイスの性能や設定に問題がある

【接続機器】Wi-FiルーターやONU機器に不具合がある

Wi-FiルーターやONU(モデム)などのネットワーク機器に不具合があると、ジッター値が高くなる可能性があります。
機器の設置場所や設定、ファームウェアがアップデートされていない等が原因として考えられます。

【回線】トラフィックが混雑していて不安定な通信環境である

インターネット回線が混雑している時間帯や、通信環境が不安定な場合、ジッター値が高くなることがあります。
特に夕方などの利用者が多い時間帯や、天候の影響などで回線が不安定になる場合が該当します。
また、同時に接続している端末数が多い場合も同様と考えられます。

【デバイス】スマホやPCの性能や設定に問題がある

使用しているパソコンやスマートフォンの性能が低い場合、あるいはネットワーク設定に問題がある場合も、ジッター値が高くなる原因となります。
Wi-Fi規格やOSが古いデバイスや、ネットワーク設定が最適化されていない場合などが該当します。

ジッター値の改善方法は?

乗換のイメージ

ジッター値が高い場合は、以下の方法を試すことで改善できる可能性があります。

  • デバイスを再起動する
  • 有線接続へ切り替える
  • 光回線へ乗り換える
  • Wi-Fiルーターを確認する

デバイスの再起動とアップデート

まず実施したいのが、パソコンやスマホといったデバイスの再起動です。

多くのデバイスでは、再起動によって一時的な不具合が解消されるため、ジッター値が改善される場合があります。
また、デバイスの機能を最適化するために、OSやアプリケーションを最新の状態にアップデートすることも重要です。

有線接続(LANケーブル)に変更する

LANケーブル(黒)

Wi-Fi(無線でのネットワーク)は電波干渉の影響を受けやすいため、ジッター値が高くなる原因となり得ます。

そのため、可能であればLANケーブルを用いた有線接続に切り替え、安定した通信環境を構築しましょう。
なお、一般的にはWi-Fi接続よりも有線接続の方が通信速度やセキュリティーにも優れています

光回線へ乗り換える

ホームルーターやポケット型Wi-Fi、ケーブルTVなどインターネットに接続する方法はいくつかあります。
ただし、光回線よりも快適な通信環境はありません

ジッター値だけではなく、通信速度やPing値を改善したいのであれば光回線一択となります。

最近のホームルターやポケット型Wi-Fiも「下り最大速度」は光回線並みと言えますが、実測値は光回線に及びません。
何より、上り速度やPing値には大きな開きがあります

Wi-Fiルーターの交換と最適な配置を検討する

白い無線LANルーター(横置き)

古いWi-Fiルーターを使用している場合、最新機種に交換することで通信速度が向上し、ジッター値が改善される可能性があります。

特に「Wi-Fi規格」を確認し、「Wi-Fi 5」機種であった場合は買い替えを検討しても良いでしょう。
「Wi-Fi 6」以降に対応したルーターであれば、通信速度が速くなるほか、周波数も「5GHz」に加えて「2.4GHz」が利用可能となります。

また、Wi-Fiルーターの設置場所を最適化することで、電波干渉の影響を軽減し、通信の安定性を高めることができます。

ジッター値についてよくある質問

FAQ

ジッター値を常に低く保つ方法は?

ジッター値を常に低く保つためには、回線速度が速く安定した光回線を利用すること、有線接続を心掛けること、ネットワーク機器を最新の状態に保つことなどが有効です。

ただし、回線の混雑状況など、ユーザー側では制御できない要因もあります。

ジッター値が高い場合、プロバイダに連絡すべき?

ジッター値が高い場合、まずは自身でできる上記の改善策(ルーターの再起動、有線接続への切り替えなど)を試してみましょう。
それでも改善しない場合は、プロバイダに問い合わせて、回線状況を確認してもらうのが良いでしょう。

パケットロスって何?

「パケットロス」とは、送信されたデータが受信側へ正常に届かない現象のことです。
そのためデータの再送が必要となり、通信速度の低下や遅延につながります。
オンラインゲームでは、映像がワープしたりBGMの品質が低下する原因となります。

オンラインゲーム以外でジッター値が重要になるタイミングは?

ビデオ会議やライブストリーミング配信、オンライン取引など、リアルタイム性が求められるあらゆる場面でジッター値が重要になります。
特に、ビジネスシーンでは、通信品質の低下が業務に支障をきたす可能性があるため、ジッター値への意識を高めることが重要です。