現在、多くの
2つの周波数帯は通信速度や特徴が異なり、
とはいえ、周波数に関してすべての知識は必要ありません。
Wi-Fiを快適に使うためには、
周波数帯 | 強み | 弱点 |
---|---|---|
2.4GHz |
|
|
5GHz |
|
|
本記事では、2.4GHzと5GHzについて、わかりやすく解説していきます。
環境に応じた選択方法についても紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
- この記事のもくじ
-
- 1周波数はWi-Fi規格によって決まっている
- 2 2.4GHzと5GHzの違いは?
- 2-12.4GHzのメリットとデメリット
- 2-25GHzのメリットとデメリット
- 3「2.4GHz」と「5GHz」の最適な利用方法
- 4接続している周波数帯の確認方法
- 4-1デバイス側で周波数を確認する方法
- 4-2ポケット型Wi-Fiで周波数を確認する方法
- 52.4GHzと5GHzに関するよくある質問
- 5-12.4GHzと5GHzは同時接続できる?
- 5-22.4GHzと5GHzのチャンネルとは?
- 5-3セキュリティ面での2.4GHzと5GHzの違いは?
- 5-4通信速度が遅い・接続が不安定な場合の対処法
- 6周波数(2.4GHzと5GHz)に関するまとめ
周波数はWi-Fi規格によって決まっている
▲Wi-Fiルーターなどには「Wi-Fi 6」のような規格があります
Wi-Fiを利用する機器には
そして、規格ごとに使用する
例えばWi-Fiルーターを購入する際は、パッケージに「IEEE 802.11ax」や「Wi-Fi 6」といった形で規格名か通称が記載されています。
Wi-Fi規格の名称やスペックについてはこちらを確認してください。
世代 | 規格名 | 通称 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
---|---|---|---|---|
第1世代 (1997年) |
IEEE 802.11 | – | 2.4GHz | 2Mbps |
第2世代 (1999年) |
IEEE 802.11g | – | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE 802.11b | – | 2.4GHz | 11Mbps | |
第3世代 (2003年) |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz / 5GHz | 600Mbps |
第4世代 (2009年) |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz / 5GHz | 600Mbps |
第5世代 (2013年) |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps |
第6世代 (2019年) |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz / 5GHz | 9.6Gbps |
Wi-Fi 6E | 2.4GHz / 5GHz/ 6GHz | |||
第7世代 (2024年) |
IEEE 802.11be | Wi-Fi 7 | 2.4GHz / 5GHz/ 6GHz | 46Gbps |
ご覧のように、Wi-Fiでは
近年では「6GHz」も利用できる「Wi-Fi 6E」や「Wi-Fi 7」といった規格も登場していますが、対応機器の数などから
そして、その「Wi-Fi 6」等の規格では「2.4GHz」と「5GHz」の
なお、
そのため「Wi-Fi 6」規格の端末であれば「Wi-Fi 5」対応の端末も利用可能です。
ただし、
2.4GHzと5GHzの違いは?
周波数によって、
2.4GHzと5GHzの違いを「メリット・デメリット」に整理して、それぞれ解説していきます。
2.4GHzのメリットとデメリット
▲画像引用:BUFFALO
2.4GHzを利用するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
2.4GHzは壁や床を通過しやすく、電波が遠くまで届きやすいというメリットがあります。
そのため、
例えば、Wi-Fiルーターが1階のリビングにあり、2階のベッドルームでスマホを利用する場合は、2.4GHzの方が向いているでしょう。
また、電子レンジやBluetooth機器など、
5GHzのメリットとデメリット
▲画像引用:BUFFALO
5GHzを利用するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
5GHzは
そのため
また
一方、デメリットは
2階建てやルーターを設置している場所から離れた場所では、つながりにくかったり速度が低下する場合があります。
「2.4GHz」と「5GHz」の最適な利用方法
状況に応じて2.4GHzと5GHzを使い分けることで、より快適なWi-Fi環境を実現できます。
ここでは、それぞれの効果的な利用方法や場面について解説します。
- 2.4GHzがおすすめなシーン
-
- 別のフロアや、ルーターから遠い場所でWi-Fiにつなぐとき
- 古いスマホやPCなどをWi-Fiに接続したいとき
- IoT家電など、通信速度をそれほど必要としない機器を接続するとき
- 5GHzがおすすめなシーン
-
- ルーターとの間に遮蔽物が少ない場所でWi-Fiにつなぐとき
- 高速な通信環境が必要なとき
- 大容量ファイルの送受信を行うとき
また、壁や天井といった遮蔽物に強いため「1階と2階」のようにフロアが異なる場合にも向いています。
なお、古いスマホやPCには5GHzに対応していない場合があるため、必然的に2.4GHzしか利用できないケースがあります。
2.4GHzよりも速度が速く安定しているため、オンライン会議などにも最適です。
ただし、ルーターから遠い場所やルーターとの間に遮蔽物が多い環境の場合、その効果は十分に発揮されません。
接続している周波数帯の確認方法
利用している周波数帯を知るには、
まずは、ONUやWi-Fiルーター本体(底面や側面)に貼付されているラベルを確認してみましょう。
▲NTT西日本より引用
メーカーや機種によって異なりますが、SSID名の表記で2.4GHzまたは5GHzが区分けされているのが一般的です。
- 末尾が「g(G)」
- 末尾が「1」または「2」
- 末尾が「a(A)」
- 末尾が「3」
利用したい周波数のSSID(Wi-Fi)に接続すればOKです。
デバイス側で周波数を確認する方法
続いて、スマホやPCといったデバイス側の確認方法を説明します。
デバイスが使用している周波数帯は、接続しているSSIDを確認することでわかります。
まずはスマホの設定から見ていきましょう。
- Androidの場合
1. 「設定」から「ネットワークとインターネット」の「インターネット」を選択
2. ネットワークの一覧から接続しているSSIDを確認 - iPhoneの場合
1. 「設定」から「Wi-Fi」を選択
2. ネットワークの一覧から接続しているSSIDを確認
続いてPCの確認方法です。
- Windowsの場合(Windows 11の場合)
1. タスクバーのWi-Fiアイコンを右クリック
2. Wi-Fiアイコンの右側にある矢印(>)をクリック
3. ネットワークの一覧から接続しているSSIDを確認 - Macの場合(macOS Sonoma 14の場合)
1. アップルメニューをクリック
2.「システム設定」から「Wi-Fi」をクリック
3.ネットワークの一覧から接続しているSSIDを確認
ポケット型Wi-Fiで周波数を確認する方法
Wi-Fi 6以上の「ポケット型Wi-Fi」であれば、
下の画像はWiMAXの「Speed Wi-Fi 5G X12」の画面ですが、メニューに沿って選ぶだけで周波数を切り替えることができます。
▲ポケット型Wi-Fiの場合は、メニュー画面から周波数を選びます
ただし、「楽天モバイル」のポケット型Wi-Fiのように、規格が「Wi-Fi 5」の場合は5GHzしか利用できず、切り替えはできません。
2.4GHzと5GHzに関するよくある質問
2.4GHzと5GHzに関するよくある質問をまとめました。
- 2.4GHzと5GHzに関するよくある質問
-
- 2.4GHzと5GHzは同時接続できる?
- 2.4GHzと5GHzのチャンネルとは?
- セキュリティ面での2.4GHzと5GHzの違いは?
- 通信速度が遅い・接続が不安定な場合の対処法
2.4GHzと5GHzは同時接続できる?
現在発売されているWi-Fiルーターの多くは、
一方、電波を受信をするスマホやPCなどの
そのため、スマホは「2.4GHz」につなぎ、PCは「5GHz」につなぐといったように、デバイスによって使い分けることが可能です。
デバイスが2.4GHzと5GHzのどちらにも接続できるようにしておくには、Wi-Fiルーターを同時使用ができる状態に設定しておく必要があります。
設定方法は機器によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- 一般的なWi-Fiルーターのデュアルバンド設定
-
- ルーターの管理画面にアクセス
- 設定のページを開く
- 2.4GHzと5GHzそれぞれの設定を有効にする
- SSIDとパスワードを設定
- 設定を保存して再起動
2.4GHzと5GHzのチャンネルとは?
2.4GHzと5GHzの周波数帯には、それぞれ「チャンネル」があります。
「周波数帯領域」「チャンネル数」「電波の特性」を軸に違いをまとめました。
2.4GHzの特徴 | 5GHzの特徴 | |
---|---|---|
電波の特性 | 電波の波長が長いため、壁や障害物を透過しやすく、到達距離も長い | 電波の波長が短いため、障害物に弱く到達距離は短い |
周波数帯域幅 | 20MHzの帯域幅のみ | 20MHz、40MHz、80MHz、160MHzの帯域幅がある。 |
チャンネル数 | IEEE802.11b…13個 IEEE802.11g…14個 |
19個 |
周波数の
そのため、5GHzの方が2.4GHzよりも高速ということになります。
また、チャンネル数とは、複数のデバイスが同時に通信できるよう、利用する周波数帯域を分割した周波数帯域のこと。
セキュリティ面での2.4GHzと5GHzの違いは?
セキュリティの観点からも、2.4GHzと5GHzには違いがあります。
それぞれの特徴を整理しました。
周波数帯の特徴 | |
---|---|
電波の到達距離 | 2.4GHzは遠くまで届くため、不正アクセスのリスクが若干高くなる可能性がある。 |
使用されている機器 | 古い機器は2.4GHzを使用することが多く、最新のセキュリティプロトコルに対応していない場合がある。 |
ネットワークの分離 | 5GHzを重要な通信用、2.4GHzを一般用というように分けることで、セキュリティレベルを調整できる。 |
テレワークなど
通信速度が遅い・接続が不安定な場合の対処法
Wi-Fiの速度が遅かったり、接続が不安定な場合は「周波数帯の切り替え」が解決策になることがあります。
以下のような症状と対処法を覚えておくと便利です。
症状 | 対処法 |
---|---|
Wi-Fiルーターから遠い場所で接続が切れる | 2.4GHzに切り替える |
Wi-Fiルーターの近距離でも速度が出ない | 5GHzに切り替える |
特定の場所でのみ接続が不安定 | 両方の周波数帯を試す |
例えば、ルーターから離れた場所でテレワークを行っている際に、Web会議の音声が途切れるようになった場合、2.4GHzに切り替えることで安定した接続を確保できる可能性があります。
周波数(2.4GHzと5GHz)に関するまとめ
2024年12月現在、主流の規格である「Wi-Fi 6」では2つの周波数帯域(2.4GHzと5GHz)が利用できます。
そして、2つの周波数帯にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
周波数帯 | 強み | 弱点 |
---|---|---|
2.4GHz |
|
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5GHz |
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|
電波が遠くまで届きやすい2.4GHzは、Wi-Fiルーターの設置場所から離れた空間で利用するのに最適です。
一方、高速通信が可能な5GHzは、できるだけWi-Fiルーターの近くで利用する方が効果を実感できます。
2.4GHzと5GHz、それぞれの特徴を理解して上手に使い分けをしましょう。