普段、あまり気にすることもなく使用している「LANケーブル」。
じつは、様々な規格・機能・特性があり、
この記事では「LANケーブル」の基礎知識と選びかたについて、わかりやすく解説していきます。
- この記事のもくじ
-
- 1LANケーブルとは?
- 2LANケーブルを使うメリット・デメリット
- 3LANケーブル選びのポイント
- 3-11. LANケーブルの「カテゴリ」は通信速度の決め手
- 3-22. LANケーブルの長さは利用場所に合わせて選ぶ
- 3-33. 「単線」か「より線」は配線環境で判断する
- 3-44.信頼できるメーカーのLANケーブルを選ぶ
- 3-55.用途にあったLANケーブルを検討する
- 4LANケーブルのカテゴリを見分ける方法
- 5LANケーブルについてよくある質問
- 5-1Q1: LANケーブルのカテゴリーはどれが一番良いですか?
- 5-2Q2: LANケーブルを長くすると通信速度が遅くなりますか?
- 5-3Q3: シールド付きとシールドなしのどちらを選ぶべきですか?
- 5-4Q4: LANケーブルの寿命はどれくらいですか?
LANケーブルとは?
LANケーブルとは「Local Area Network(=ローカルエリアネットワーク)」を構築するためのケーブルです。
一般的にはコンピュータネットワークにおいて、
LANケーブルは
LANケーブルを使うメリット・デメリット
「Wi-Fi」が普及している現代において、LANケーブルによる
デメリットとともに以下にまとめました。
有線接続のメリット | 有線接続のデメリット |
---|---|
|
|
LANケーブルを使用する主なメリットは、
また、無線(Wi-Fi)よりも
一方、デメリットとしては、配線が必要なため設置が煩雑になることや、利用場所が制限される点が挙げられます。
快適にオンラインゲームをプレイしたい人や、オンライン会議などでビジネス用途が多い人など、より高品質で安定したネット環境が必要な人は有線接続を検討すると良いでしょう。
LANケーブル選びのポイント
LANケーブルは様々な規格や仕様があるため、いざ選ぼうとすると悩んでしまう人が多いと思います。
用途や環境に合ったLANケーブルを選ぶためには、以下のポイントをチェックする必要があります。
- カテゴリ
- 長さ
- 構造(「単線」か「より線」)
- 製造メーカー
- 用途(形状や機能)
1. LANケーブルの「カテゴリ」は通信速度の決め手
LANケーブルは通信速度・周波数などによって規格である
規格の後についている数字が大きくなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。
カテゴリ(規格) | 最大通信速度 | 帯域 |
---|---|---|
CAT.5 | 100Mbps | 100MHz |
CAT.5e | 1Gbps | |
CAT.6 | 250MHz | |
CAT.6A | 10Gbps | 500MHz |
CAT.7 | 600MHz | |
CAT.7A | 1000MHz | |
CAT.8 | 25Gbps/40Gbps | 2000MHz |
カテゴリによって細かい違いはありますが、
光回線を利用している人であれば「CAT.5e」以上のLANケーブルを選びましょう。
もし、現在「CAT.5」を使用しているなら交換をおすすめします。
また、話題になることが増えた「10ギガ光回線」を利用するのであれば、「CAT.6A」が必要となります。
なお、LANケーブルには
カテゴリに関する注意点
LANケーブルのカテゴリについては以下の点に注意が必要です。
- CAT.5以下は光回線に不向き
- CAT.7以上は通信が不安定になりがち
「CAT.5」のLANケーブルの最大速度は100Mbpsです。
しかし、現在の光回線では「1Gbps」が主流となっています。
そのため、「CAT.5」のLANケーブルで光回線を利用した場合、光回線の速度を活かすことはできず、その
また、「CAT.7」以上のカテゴリは高性能ですが、一般家庭用としてはオーバースペックです。
現在のところは対応する機器も限られており、通信が不安定になるケースも報告されています。
2. LANケーブルの長さは利用場所に合わせて選ぶ
LANケーブルの長さは使用環境に応じて選ぶ必要があります。
長すぎると信号の減衰やノイズの影響を受けやすくなり
一方、短すぎると配線が困難になる場合があります。
使用場所までの距離に応じて適切な長さを選ぶことが重要です。
【部屋の広さ別】LANケーブルの長さ
無駄なくLANケーブル配線を行うためには、事前に機器の配置場所などを勘案し、必要な長さを正確に選定すると良いでしょう。
あくまで参考ですが、以下を目安にしてください。
部屋の広さ | 推奨されるケーブルの長さ |
---|---|
ワンルーム〜6畳 | 1〜3メートル |
10畳程度 | 3〜5メートル |
10畳~20畳程度 | 5〜10メートル |
3. 「単線」か「より線」は配線環境で判断する
LANケーブルは8芯のケーブルで構成され、芯線には
「単線ケーブル」は1本の銅線で構成されているため、ノイズを受けにくいという特性があります。
ただし、太くて硬いケーブルのため狭い場所でのしなやかな配線よりも、
一方、「より線ケーブル」は7本の導線を束ねているため柔軟性が高く、
ただし、ケーブルの長さに比例してノイズの影響を受けやすくなることに注意が必要です。
一般的な家庭や小規模なオフィスでは「より線ケーブル」の方が向いているでしょう。
4.信頼できるメーカーのLANケーブルを選ぶ
LANケーブルは各社が製造・販売を行っています。
製造メーカーによって価格も様々ですが、安価な粗悪品を使用すると
関連機器の品質に定評のある以下のようなメーカーを基準に選ぶことをおすすめします。
- バッファロー(BUFFALO)
- エレコム(ELECOM)
- サンワサプライ(SANWA SUPPLY)
5.用途にあったLANケーブルを検討する
配線環境や接続する機器によっては、形状や機能からLANケーブルを選ぶ方法もあります。
「形状」と「機能」が特殊なケーブルを紹介します。
隙間でも配線しやすい『フラットケーブル』
フラットケーブルは、従来の丸型ケーブルに比べて平べったく薄いことが特徴です。
柔軟性にも優れているため、狭い隙間にも容易に通すことができます。
例えば
また、見た目もすっきりとしているため、インテリアを損なわずに配線を行うことが可能です。
ただし、
電力を同時に供給できる『PoE対応ケーブル』
「PoE(Power over Ethernet)対応ケーブル」は、
追加の電源ケーブルが不要となるため、ネットワークカメラやIP電話などの設置が簡単になります。
天井や屋外といった
LANケーブルのカテゴリを見分ける方法
▲パッケージには規格が明記されています
LANケーブルのカテゴリはパッケージに記載されていますが、開封後はカテゴリがわからなくなってしまいます。
しかし、よく見ると
▲CAT.6Aと印字されたLANケーブル
もしカテゴリ名が見つからない場合は、他に印字された文字があるかどうかを確認してください。
長い文字の中に
例えば、「TIA/EIA-568-B」などの規格名が印字されている場合、その規格に準拠した配線が行われていることを示します。
LANケーブルについてよくある質問
LANケーブルについてよくある質問をまとめました。
- LANケーブルのカテゴリーはどれが一番良いですか?
- LANケーブルを長くすると通信速度が遅くなりますか?
- シールド付きとシールドなしのどちらを選ぶべきですか?
- LANケーブルの寿命はどれくらいですか?
Q1: LANケーブルのカテゴリーはどれが一番良いですか?
用途や必要な通信速度によりますが、
なお、昨今話題の「10ギガ光回線」を導入している場合は「CAT.6A」を使用することで、高速かつ安定した通信を享受できます。
Q2: LANケーブルを長くすると通信速度が遅くなりますか?
適切な長さであれば問題ありませんが、過度に
必要な長さを正確に選ぶことが重要です。
Q3: シールド付きとシールドなしのどちらを選ぶべきですか?
家庭での利用であればシールド処理されていないケーブル(UTPケーブル)で問題ありません。
シールド付きケーブル(STPケーブル)は電磁ノイズが多い工場などで利用されています。
Q4: LANケーブルの寿命はどれくらいですか?
適切に使用すれば、数年間は使用することができます。
ただし、利用環境によっては物理的な摩耗や断線などが発生する場合もあるため、