通信速度が速くなる?LANケーブルの基礎知識と選びかた

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LANケーブル基礎知識

普段、あまり気にすることもなく使用している「LANケーブル」。
じつは、様々な規格・機能・特性があり、通信速度や機能、配線のしやすさなどが異なります

この記事では「LANケーブル」の基礎知識と選びかたについて、わかりやすく解説していきます。

この記事のもくじ

LANケーブルとは?

LANケーブルとは「Local Area Network(=ローカルエリアネットワーク)」を構築するためのケーブルです。

一般的にはコンピュータネットワークにおいて、ルーターなどの通信機器とPCなどのデバイスを接続し、インターネットをするために使用します。

LANケーブルは「カテゴリ(CAT)」と呼ばれる規格ごとに性能が分類されており、用途に応じて選択する必要があります。

LANケーブルを使うメリット・デメリット

メリットとデメリット

「Wi-Fi」が普及している現代において、LANケーブルによる有線接続を行うメリットとは何なのでしょうか。
デメリットとともに以下にまとめました。

有線接続のメリット 有線接続のデメリット
  • 高速かつ安定した通信環境
  • Wi-Fiよりも高いセキュリティー
  • LANケーブルが必要
  • 利用場所が限定的

LANケーブルを使用する主なメリットは、高速かつ安定したインターネット接続が可能な点です。
また、無線(Wi-Fi)よりもセキュリティ面で優れており、安全性が高いと言えます。

一方、デメリットとしては、配線が必要なため設置が煩雑になることや、利用場所が制限される点が挙げられます。

快適にオンラインゲームをプレイしたい人や、オンライン会議などでビジネス用途が多い人など、より高品質で安定したネット環境が必要な人は有線接続を検討すると良いでしょう。

LANケーブル選びのポイント

色とりどりのLANケーブル

LANケーブルは様々な規格や仕様があるため、いざ選ぼうとすると悩んでしまう人が多いと思います。

用途や環境に合ったLANケーブルを選ぶためには、以下のポイントをチェックする必要があります。

  1. カテゴリ
  2. 長さ
  3. 構造(「単線」か「より線」)
  4. 製造メーカー
  5. 用途(形状や機能)

1. LANケーブルの「カテゴリ」は通信速度の決め手

LANケーブルは通信速度・周波数などによって規格である「カテゴリ(CAT)」に分類されます。
規格の後についている数字が大きくなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。

カテゴリ(規格) 最大通信速度 帯域
CAT.5 100Mbps 100MHz
CAT.5e 1Gbps
CAT.6 250MHz
CAT.6A 10Gbps 500MHz
CAT.7 600MHz
CAT.7A 1000MHz
CAT.8 25Gbps/40Gbps 2000MHz

カテゴリによって細かい違いはありますが、基本的には「通信速度」で選んで問題ありません

光回線を利用している人であれば「CAT.5e」以上のLANケーブルを選びましょう。
もし、現在「CAT.5」を使用しているなら交換をおすすめします。

また、話題になることが増えた「10ギガ光回線」を利用するのであれば、「CAT.6A」が必要となります。

なお、LANケーブルには下位互換性があるため、利用する端末や機器の通信速度がわからない場合は、「CAT.6」か「CAT.6A」を選択しておけば間違いありません

カテゴリに関する注意点

LANケーブルのカテゴリについては以下の点に注意が必要です。

  • CAT.5以下は光回線に不向き
  • CAT.7以上は通信が不安定になりがち

「CAT.5」のLANケーブルの最大速度は100Mbpsです。
しかし、現在の光回線では「1Gbps」が主流となっています。

そのため、「CAT.5」のLANケーブルで光回線を利用した場合、光回線の速度を活かすことはできず、その最大速度は10分の1の速度になってしまいます。

また、「CAT.7」以上のカテゴリは高性能ですが、一般家庭用としてはオーバースペックです。
現在のところは対応する機器も限られており、通信が不安定になるケースも報告されています。

2. LANケーブルの長さは利用場所に合わせて選ぶ

オフィスの設計図

LANケーブルの長さは使用環境に応じて選ぶ必要があります。

長すぎると信号の減衰やノイズの影響を受けやすくなり速度低下の原因となります。
一方、短すぎると配線が困難になる場合があります。

使用場所までの距離に応じて適切な長さを選ぶことが重要です。

【部屋の広さ別】LANケーブルの長さ

無駄なくLANケーブル配線を行うためには、事前に機器の配置場所などを勘案し、必要な長さを正確に選定すると良いでしょう。

あくまで参考ですが、以下を目安にしてください。

部屋の広さ 推奨されるケーブルの長さ
ワンルーム〜6畳 1〜3メートル
10畳程度 3〜5メートル
10畳~20畳程度 5〜10メートル

3. 「単線」か「より線」は配線環境で判断する

LANケーブルは8芯のケーブルで構成され、芯線には「単線」と「より線」の2つの仕様があります。

「単線ケーブル」は1本の銅線で構成されているため、ノイズを受けにくいという特性があります。
ただし、太くて硬いケーブルのため狭い場所でのしなやかな配線よりも、直線かつ長距離向きと言えます。

一方、「より線ケーブル」は7本の導線を束ねているため柔軟性が高く、折り曲げての配線が可能です。
ただし、ケーブルの長さに比例してノイズの影響を受けやすくなることに注意が必要です。

一般的な家庭や小規模なオフィスでは「より線ケーブル」の方が向いているでしょう。

4.信頼できるメーカーのLANケーブルを選ぶ

LANケーブルは各社が製造・販売を行っています。
製造メーカーによって価格も様々ですが、安価な粗悪品を使用すると端子の破損や断線といったリスクが高まります。

関連機器の品質に定評のある以下のようなメーカーを基準に選ぶことをおすすめします。

  • バッファロー(BUFFALO)
  • エレコム(ELECOM)
  • サンワサプライ(SANWA SUPPLY)

5.用途にあったLANケーブルを検討する

配線環境や接続する機器によっては、形状や機能からLANケーブルを選ぶ方法もあります。
「形状」と「機能」が特殊なケーブルを紹介します。

隙間でも配線しやすい『フラットケーブル』

青いフラットLANケーブル

フラットケーブルは、従来の丸型ケーブルに比べて平べったく薄いことが特徴です。
柔軟性にも優れているため、狭い隙間にも容易に通すことができます。

例えばドアの隙間やデスクの下など、配線スペースが限られている場所での使用に適しています。
また、見た目もすっきりとしているため、インテリアを損なわずに配線を行うことが可能です。

ただし、ノイズに弱い特性もあるため長距離での利用はあまりおすすめできません。

電力を同時に供給できる『PoE対応ケーブル』

「PoE(Power over Ethernet)対応ケーブル」は、データ通信と電力の供給を同時に行うことができるLANケーブルです。

追加の電源ケーブルが不要となるため、ネットワークカメラやIP電話などの設置が簡単になります。

天井や屋外といったコンセントがない場所に機器を設置したい、タコ足配線を避けたいといった場合、電源電力供給とデータ通信を同時に行うことができるPoE対応ケーブルがおすすめです。

LANケーブルのカテゴリを見分ける方法

LANケーブルのパッケージ
▲パッケージには規格が明記されています

LANケーブルのカテゴリはパッケージに記載されていますが、開封後はカテゴリがわからなくなってしまいます。

しかし、よく見るとケーブル本体にもカテゴリは記載されています。

白いLANケーブル(Cat.6A)
▲CAT.6Aと印字されたLANケーブル

もしカテゴリ名が見つからない場合は、他に印字された文字があるかどうかを確認してください。

長い文字の中に「配線規格名」が記載されている場合は、カテゴリを見分ける参考になります。
例えば、「TIA/EIA-568-B」などの規格名が印字されている場合、その規格に準拠した配線が行われていることを示します。

LANケーブルについてよくある質問

クエスチョンマーク

LANケーブルについてよくある質問をまとめました。

  • LANケーブルのカテゴリーはどれが一番良いですか?
  • LANケーブルを長くすると通信速度が遅くなりますか?
  • シールド付きとシールドなしのどちらを選ぶべきですか?
  • LANケーブルの寿命はどれくらいですか?

Q1: LANケーブルのカテゴリーはどれが一番良いですか?

用途や必要な通信速度によりますが、一般的には「CAT.6」がバランス良くおすすめです。

なお、昨今話題の「10ギガ光回線」を導入している場合は「CAT.6A」を使用することで、高速かつ安定した通信を享受できます。

Q2: LANケーブルを長くすると通信速度が遅くなりますか?

適切な長さであれば問題ありませんが、過度に長いケーブルは信号の減衰やノイズの影響を受けやすくなり、通信速度や安定性が低下する可能性があります。
必要な長さを正確に選ぶことが重要です。

Q3: シールド付きとシールドなしのどちらを選ぶべきですか?

家庭での利用であればシールド処理されていないケーブル(UTPケーブル)で問題ありません。
シールド付きケーブル(STPケーブル)は電磁ノイズが多い工場などで利用されています。

Q4: LANケーブルの寿命はどれくらいですか?

適切に使用すれば、数年間は使用することができます。

ただし、利用環境によっては物理的な摩耗や断線などが発生する場合もあるため、定期的に状態を確認することをおすすめします。