10ギガの光回線とは？気になる速度やメリット・デメリットから選び方まで徹底解説

近年の光回線においては「10ギガ（Gbps）」を謳うサービスが増えており、注目度が高まっています。
一方で、「10ギガとは？」「何が違う？」「どうしたら使える？」といった疑問を抱えている人も多いでしょう。

この記事では、10ギガの光回線についてわかりやすく解説するとともに「おすすめの10ギガ光回線」も紹介しています。
検討中の人はもちろん、10ギガ回線が気になっている人も参考にしてみてください。

光回線の10ギガとは

10ギガ回線とは「最大通信速度が10Gbpsの光回線」のことを指し、速度の単位「Gbps（ギガ・ビーピーエス）」の頭文字をとって10ギガと呼ばれています。
この数値が大きいほど、通信速度は速くなります。

現在、光回線の提供速度は「1Gbps」が主流となっており、高速なイメージがある「NURO 光」ですら2Gbpsのため、「10Gbps」という数字のインパクトは絶大です。

1ギガ回線と10ギガ回線の違い

1ギガ回線と10ギガ回線の最も大きな違いは、最大通信速度です。
理論上、10ギガ回線は1ギガ回線の10倍のデータを送受信できます。

この差は、大容量ファイルの送受信や高画質動画のストリーミング、オンラインゲームなどで顕著に現れます。

10ギガ光回線のメリット

具体的な「10ギガ光回線のメリット」は主に次の3つです。

1つずつ解説していきます。

通信速度が圧倒的に速くなる

10ギガ光回線の最大のメリットは、通信速度が高速であることです。
実測値は環境によって変動しますが、理論上は1ギガ回線と比較して最大10倍の速度でデータを送受信することができます。

ゲームコンテンツや動画などの大容量ファイルをダウンロードする時間が10分の1になることを想像するとわかりやすいでしょう。

多くの端末を同時接続しても安定しやすい

10ギガ光回線は処理できるデータ量が多いため、複数の端末を同時に接続しても安定した通信を維持できます。

つまり、同時に接続するスマートフォンやパソコンの数が多い場合であっても、速度低下を気にせずに利用できる可能性が高いと言えます。

混雑する夕方や夜間の時間帯でも快適

10ギガ光回線は、処理できるデータ容量が大きいためインターネットが混雑する時間帯でも快適に利用できます。

特に夜間など、多くの人が利用する時間帯でもストレスなく利用できる可能性が高まります。

10ギガ光回線のデメリット・注意点

一方で、10ギガ光回線には以下のようなデメリットや注意点もあります。

1つずつ解説していきます。

月額料金が高くなる

10ギガ光回線は多くのサービスで標準となっている「1ギガ回線」と比べた場合、月額料金が高くなります。

1ギガ回線でストレスや問題なく利用できている人や、速度よりもコストを重視する人にとってはデメリットと言えるでしょう。

利用できるエリアは限られる

10ギガの光回線は誰でもどこでも利用できるわけではありません。
また、現在1Gbpsを契約しているサービスであっても「10Gbpsはエリア外」という場合もあります。

今後、対応エリアが広がっていくことが予想されますが、現状は1Gbpsに比べて利用エリアが限定的となっています。

利用を検討する場合は、まず提供事業者のHPで対応エリアを確認しましょう。

10ギガ回線の開通工事が必要

10ギガ光回線では専用設備が必要となるため、開通工事が必要です。
既に光回線を利用している場合でも、1ギガ回線から10ギガ回線への変更には工事が必要となるケースがほとんどです。

機器を揃える必要がある

10ギガ光回線の力を最大限に活かすためには、10ギガに対応したLANケーブルやWi-Fiルーターなどが必要となります。

また、利用するデバイス（スマホやPCなど）の規格が10Gbpsに対応していない場合は、10Gbpsのメリットを最大限享受することはできません。
詳しくは「10ギガ光回線速度を最大限に活かす方法」で解説していますので参考にしてください。

最大通信速度10Gbpsは実際の速度（実測値）ではない

10ギガ光回線の最大通信速度「10Gbps」はベストエフォートと呼ばれる理論上の最大値になります。

10ギガ回線に限らず、実際の通信速度は利用環境や回線の混雑状況などによって変動します。

あくまで参考ですが、NTTが提供する10ギガ光回線「フレッツ光 クロス」の実測値は以下の通りです。

「フレッツ光 クロス」の実測値

時間帯	Ping	下り	上り
昼	13ms	1539.0Mbps	1749.5Mbps
夕方	13ms	1291.4Mbps	1414.0Mbps
夜	13ms	1240.6Mbps	1464.8Mbps

▲「みんそく」より

時間帯を問わず、上り下りともに1Gbpsを越える超高速となっており、Ping値も良好です。
なお、環境によっては3〜4Gbpsの速度が出ることも珍しくないようです。

10ギガ光回線がおすすめな人

ここまで述べてきたメリット・デメリットを踏まえた「10ギガ光回線がおすすめの人」は以下の通りです。

料金よりも速度を重視する人

「月額料金が多少高くても、高速なインターネット環境が欲しい人」には、10ギガ光回線はおすすめです。

以下で述べる用途以外でも、webやSNSの表示や切り替えが速くなるなど、あらゆるインターネット上の挙動が速くなるため可能性快適です。

オンラインゲームのラグを減らして快適に楽しみたい人

10ギガ光回線は上り下りともに高速なだけではなく、Ping値も低く安定する傾向があります。

そのため、オンラインゲーム、とくにFPS系などの対応速度がシビアなジャンルでのラグや遅延を軽減できる可能性が高まります。

大人数でネットをする場合が多い人

インターネット回線は接続する端末台数に比例して通信速度が低下します。
しかし、10ギガの場合は1秒間に処理できるデータ量が多いため、その影響が出にくいと言えます。

全員が同時に、高負荷の状態でインターネットを利用する家庭やグループに向いているでしょう。

超大容量ファイルをダウンロード・アップロードする人

10ギガ回線であれば、大容量ファイルのダウンロード・アップロードが快適になります。
映画などのコンテンツを頻繁にダウンロードする人などの他、4Kや長時間動画のファイルを扱うクリエイターやYouTuberにもおすすめです。

おすすめの「10ギガ光回線」5選

多くの光回線事業者は、スマートフォンとのセット割を提供しています。
そのため、自分のスマホキャリアと提携している光回線を選ぶことで、実質的な月額料金を安く抑えることができます。

ただし、地域限定で提供されている10ギガ回線があるため、スマホキャリア・地域ごとにおすすめの10ギガ光回線を紹介します。

docomoユーザーならドコモ光

「ドコモ光」は、docomoのスマホセット割がある唯一の光回線のため、docomoユーザーなら「ドコモ光」一択となります。
なお、「ドコモ光」は公式サイト以外に代理店から申し込むことができます。
代理店経由の場合、公式キャンペーンに加えて、独自の特典も受けられます。

「ドコモ光」のお得な窓口は「NNコミュニケーションズ」です。

▲引用：ドコモ光(NNコミュニケーションズ)

「NNコミュニケーションズ」とドコモ光の公式サイトとの違いは特典のみ。

ドコモ公式サイトと特典内容を比較

	公式サイト	NNコミュニケーションズ
特典	新規・乗り換え dポイント20,000pt フレッツ光からの乗り換えdポイント15,000pt	新規dポイント2,000pt 乗り換えdポイント25,000pt 35,000円キャッシュバック

「NNコミュニケーションズ」経由で申し込むと、すべての人を対象に35,000円のキャッシュバックがもらえます。

手続きは、申し込みの電話窓口で振込先などを伝えるだけ。
余計な手続きは一切不要です。
また、振込は課金開始月の翌月末という点も大きなメリットです。

加えて、公式サイト同様、10ギガプランに申し込むと月額料金が最大6ヶ月間500円になるキャンペーンも実施しています。

なお、「NNコミュニケーションズ」は、auひかりやビッグローブ光などの代理店も行っており、KDDIからは14期連続（2008〜2022年）で感謝状を受賞している企業です。

ドコモ光 × NNコミュニケーションズ

ドコモ光（NNコミュニケーションズ）の基本情報

運営会社	株式会社NNコミュニケーションズ
対象エリア	一部地域
月額料金	6,380円
スマホ割	docomo：最大1,100円割引
スマホ割適用の 必須オプション	なし
キャッシュバック	あり（35,000円）
初期費用	事務手数料：3,300円 工事費用：無料
契約期間の縛り	2年
違約金	5,500円
Wi-Fiルーター	プロバイダにより異なる

SoftBank・Y!mobileユーザーならソフトバンク光

「ソフトバンク光」はSoftBank・Y!mobileユーザーが最も安く利用できる光回線です。

「ソフトバンク光」は、公式サイトと代理店から申し込むことができます。

代理店は、公式サイトのキャンペーンに加え、独自の特典も実施しているので、代理店から申し込む方がお得です。

▲ソフトバンク光(エヌズカンパニー)

なかでもおすすめは「エヌズカンパニー」で、ソフトバンク光の公式サイトとの違いは特典のみ。

ソフトバンク光公式サイトと特典内容を比較

	公式サイト	エヌズカンパニー経由
特典	すべての申込者を対象に工事費実質無料 乗り換えで違約金など最大10万円キャッシュバック 乗り換えで月額料金3ヶ月間500円割引 開通前Wi-Fiルーター無料レンタル	共通特典4つ エヌズカンパニー特典 ・40,000円キャッシュバック

「エヌズカンパニー」から申し込むと公式特典に加え、代理店独自の特典として40,000円のキャッシュバックがもらえます。

申し込みの電話窓口で振込先などを確認してくれるので、余計な手続きは一切不要。
振込は課金開始月の翌月末という点も大きなメリットです。

エヌズカンパニーは、ソフトバンク社より6年連続（2017〜2022年）感謝状を受賞している企業です。
これまで同社を通じて実際にソフトバンク光に申込んだユーザーレビュー数は、7,500件。

「オペレーターの方が丁寧に教えてくれた」などの声も多く、申し込みにおいても安心です。

どちらも通信速度や対応エリア、月額料金等は変わらないので、お得な窓口から申し込みましょう。

SoftBank光 × エヌズカンパニー

ソフトバンク光（エヌズカンパニー）の基本情報

運営会社	株式会社エヌズカンパニー
対象エリア	一部地域
月額料金	6,380円
スマホ割	Softbank：最大1,100円割引 Y!mobile：550円〜1,100円割引
スマホ割適用の 必須オプション	オプションパック：月額550円
キャッシュバック	公式特典 エヌズカンパニー特典 ・40,000円
初期費用	事務手数料：3,300円 工事費用 戸建て／マンション：31,680円 ※実質無料
契約期間の縛り	2年
違約金	6,380円
Wi-Fiルーター	ホームゲートウェイ（月額550円）

au・UQmobileユーザーならauひかり

KDDIが運営する「auひかり」は、中部・関西・沖縄を除く36の都道府県で使える光回線です。

「auひかり」はauまたはUQ mobileユーザーであれば、高額キャッシュバックを受け取ることで最安で使うことができます。

ただし、auひかりのマンション向けプランは、すでにauひかりの設備が導入されている集合住宅が対象です。

auひかりの設備が導入されていないマンションに住んでいる人は、同じくスマホ割が受けられる「ビッグローブ光」がおすすめです。

▲auひかり(ネクスト)

「auひかり」は、公式サイトと代理店から申し込むことができます。

代理店は、公式サイトのキャンペーンに加え、独自の特典も実施しているので、代理店から申し込む方がお得です。

なかでもおすすめは「ネクスト」で、auひかりの公式サイトとの違いは特典のみ。

auひかり公式サイトと特典内容を比較

	公式サイト	ネクスト経由
特典	すべての申込者を対象に工事費実質無料 スマホ割適用で10,000円キャッシュバック 月額料金最大6ヶ月無料 乗り換えで最大50,000円キャッシュバック	共通特典5つ ネクスト特典 ・最大78,000円キャッシュバック

「ネクスト」から申し込むと公式特典に加え、代理店独自の特典として最大78,000円のキャッシュバックがもらえます。

申し込みの電話窓口で振込先などを確認してくれるので、余計な手続きは一切不要です。

auひかり × ネクスト

auひかり（ネクスト経由）の基本情報

運営会社	株式会社エヌズカンパニー
対象エリア	一部地域
月額料金	1〜12ヶ月 ：7,018円 13〜24ヶ月：6,908円 25ヶ月以降：6,798円
スマホ割	au：最大1,100円割引 UQmobile：550円〜1,100円割引
スマホ割適用の 必須オプション	ひかり電話：月額550円
キャッシュバック	公式特典 ネクスト特典 ・最大78,000円
初期費用	事務手数料：3,300円 工事費用 戸建て／マンション：33,000円 ※実質無料
契約期間の縛り	3年
違約金	4,730円
Wi-Fiルーター	ホームゲートウェイ（月額550円）

格安スマホユーザーならビッグローブ光

「ビッグローブ光」は、「ドコモ光」や「ソフトバンク光」と同じく、フレッツ光回線を利用した光コラボです。

なかでも「ビッグローブ光」は月額料金が安いため、スマホセット割の対象外となる格安スマホユーザーにおすすめです。

また、「ビッグローブ光」はauまたはUQmobileのスマホセット割が適用になります。

ビッグローブ光 公式サイト

ビッグローブ光の基本情報

対象エリア	一部地域
月額料金	6,270円
スマホ割	au：最大1,100円割引 UQmobile：550円〜1,100円割引
スマホ割適用の 必須オプション	ひかり電話：月額550円
キャッシュバック	なし
初期費用	事務手数料：3,300円 工事費用 戸建て／マンション：28,600円
契約期間の縛り	3年
違約金	4,950円
Wi-Fiルーター	ホームゲートウェイ（月額550円）

対応エリア内ならNURO光

「NURO光」は、フレッツ光回線を利用している「ドコモ光」や「ソフトバンク光」「ビッグローブ光」とは異なり、独自の回線を利用した光回線です。

通常プランが他社よりも高速な「2Gbps」ということもあり、通信速度に対するこだわりが強い回線だと言えます。

利用可能なエリアは限定されますが、エリア内の人であれば検討をおすすめします。

ただし、マンション向けプランは、すでにNURO光の設備が導入されている集合住宅が対象です。

また、「NURO光」はソフトバンクのスマホセット割が適用になります。

▲NURO光

「NURO光」への申し込みは公式サイトがおすすめです。

戸建てなら60,000円、マンションなら25,000円のキャッシュバックが受け取れます。

NURO光 公式サイト

NURO光の基本情報

対象エリア	一部地域
月額料金	5,700円
スマホ割	SoftBank：最大1,100円割引
スマホ割適用の 必須オプション	オプションパック：月額550円
キャッシュバック	戸建て：60,000円 マンション：25,000円
初期費用	事務手数料：3,300円 工事費用 戸建て／マンション：44,000円 ※実質無料
契約期間の縛り	3年
違約金	4,950円
Wi-Fiルーター	ホームゲートウェイ（月額550円）

10ギガ光回線の契約手順

提供エリア・物件の確認

10ギガ光回線を契約しようと思った場合、まずは利用したい光回線が対応エリアかどうかを確認しましょう。

特にマンションなどの集合住宅の場合は「建物自体が10ギガ回線に対応しているか」または「対応可能かどうか」を確認する必要があります。

光回線10Gサービスの申し込み

提供エリア内であることが確認できたら、オンラインまたは電話で申し込み手続きを行いましょう。
10ギガだからといって特別なことはありません。

高速回線・光回線10Gの開通工事実施

申し込み完了後は工事日を決定します。
なお、開通工事は立会いが必要となります。

工事自体はおおむね2時間程度で終了し、契約者は特段することはありません。

10ギガ光回線速度を最大限に活かす方法

10ギガ光回線の高速通信を最大限に活かすには、適切な機器の選択と設定、そして定期的なメンテナンスが重要です。

10Gbpsに対応したLANケーブルを選ぶ

Wi-Fi（無線）でも利用することができますが、有線に比べると速度は劣ります。
最大速度を引き出したいのであれば、LANケーブルによる有線接続がおすすめです。

ただし、LANケーブルを選ぶ際には「カテゴリー」と呼ばれる規格に注意しましょう。
10Gbpsの速度に対応するには、「CAT 6A」以上のLANケーブルが必要になります。

▲カテゴリはケーブルに記載されています（画像は「CAT6A」タイプ）

10ギガ対応のWi-Fiルーター（「Wi-Fi 6」以上）を選ぶ

Wi-Fiルーターは「Wi-Fi 6（IEEE 802.11ax）」に対応したモデルを選びましょう。
Wi-Fi 6は、従来のWi-Fi規格よりも高速で、複数の端末を同時に接続しても安定した通信を提供します。

最新の規格は「Wi-Fi 7」となりますが、2024年現在では対応機器も多くないため、Wi-Fi 6で問題ありません。

10ギガ対応のスマホやPCを選ぶ

Wi-Fiを通じて10ギガのメリットを受けるには、スマホのWi-Fi規格が「Wi-Fi 6（IEEE 802.11ax）」以上である必要があります。

また、パソコンの場合は、接続規格が「10G BASE-T」のLANカード（端子・ポート）が搭載されている必要があります。

よく似た「1000BASE-T」の場合は転送速度が1Gbpのため、10ギガを活かすことはできません。

10ギガ光回線によくある質問

10G光回線は上り速度やPing値も速くなる？

はい。
10ギガ光回線では下り速度だけではなく、上り速度やPing値の大幅な向上も期待できます。
そのため、格闘やシューティング系のオンラインゲームなどでは特に効果を感じやすいと言えます。

1Gから10Gへ乗り換えたい場合はプラン変更可能？

契約中の事業者によって異なります。
プラン変更が可能な場合と、一度解約して新規契約が必要な場合があります。

光回線10Gの契約で開通工事は必要？

基本的には開通工事が必要となります。
既に光回線を利用している場合でも、1ギガ回線から10ギガ回線への変更には開通工事が必要となるケースがほとんどです。