ポケットWiFiを使っていて、通信速度がいきなり遅くなってしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。
通信速度が遅くなると動画視聴や音楽再生がカクついたり、InstagramやTwitterなどのSNSの画像表示が上手くいかなかったり、何かとストレスに感じますよね。
ですが、ご安心ください。ポケットWiFiの通信速度が遅くなってしまっても、通信速度を改善するための対処方法があります。
そこで今回は、ポケットWiFiを使っている全ユーザーに知っておいてほしい、速度を改善するための8つの原因と対処方法をご紹介します。
ポケットWiFiの速度が遅くて困っている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
監修者

大山勝士
株式会社FREEDiVE (旧:株式会社surfave)の2人目の社員として入社。2020年9月にMUGEN WiFi運営責任者に就任。これまで端末検品やメール対応を担当しつつ、フロー作成の基盤をつくってきた。現在は、社内の人材育成や社内制度の整備に力を入れ、売上管理など事業全体の統括を担当している。
ポケットWiFiが遅い・繋がらないのはなぜ?
ポケットWiFiの通信速度が突然遅くなったり、接続できなくなったりした場合は、以下の8つの原因のどれかに当てはまっている可能性があります。
原因①:WiFiルーターに不具合が発生している
原因②:提供エリア外・圏外にいる
原因③:電波干渉している
原因④:通信制限にかかってしまっている
原因⑤:接続端末数が多すぎる
原因⑥:周りに障害物がある
原因⑦:端末の性能が低い
原因⑧:PC・スマホなどに問題がある
WiFiルーターは、最寄りの基地局と常に無線通信を行う仕様なので、どうしても接続が不安定になるケースがあります。
また、それ以外にも考えられる原因は数多く存在するので、上記の8つの原因を一つ一つ丁寧に確認していきましょう。
原因①:WiFiルーターに不具合が発生している
ポケットWiFiの通信速度が遅くなる原因1つ目は、WiFiルーター本体に不具合が発生しているケースです。
ポケットWiFi本体にはSIMカードが挿入されており、SIMカードの接触不良などが原因で、正常に通信が行われていない場合があります。
また、気温の上昇や長時間の連続使用で、WiFiルーターが軽いオーバーヒート状態となり、端末が不具合を起こしていることも考えられます。
ポケットWiFiも電子機器なので、落としたり何かにぶつけたりして、軽くでも衝撃を与えると、意外と簡単に故障してしまうことも珍しくありません。
WiFiルーターに不具合がある場合の対処法
WiFiルーター本体に不具合がある場合の対処法は、ルーター本体を修理または交換してもらう方法です。
ほとんどのポケットWiFiサービスでは、保証サービスを用意しています。
保証サービスは契約時にしか加入できないことが多いですが、すでに保証サービスに加入しているのであれば無償で端末を交換してもらえる可能性があります。
場合によっては有償で修理となる場合もありますが、いずれにしても端末本体の修理・交換をする必要があるので、利用しているサービスの運営会社に問い合わせをしてみましょう。
原因②:提供エリア外・圏外にいる
ポケットWiFiは、大きく分けると次の3種類の回線を使ってサービスを提供しています。
WiMAX | WiMAX2+、au 4G LTE、5G |
ソフトバンク | 4G LTE |
クラウドSIM | ドコモ、au、ソフトバンク |
それぞれの回線によって、利用できるサービスエリアは異なります。
サービスエリア外に移動してしまうと、電波が入りづらくなったり、圏外となってしまったりする場合があります。
特に、WiMAX回線は、山間部や地方では接続しづらくなるケースが多いので注意が必要です。
また、それぞれの回線が使用する周波数帯の特性によって、高層ビル群や地下、自動車や電車での移動中などは電波が入りづらくなるケースも考えられます。
提供エリア外・圏外にいる場合の対処法
提供エリア外にいる場合の対処法は、自分が利用中のポケットWiFiのサービスエリア内に入るしか手段がありません。
ポケットWiFiのサービスサイトでは、そのサービスが利用できるエリア確認ページを用意しています。
自分の生活圏内がポケットWiFiのサービスエリア外だった場合は、他の回線を利用するポケットWiFiへの乗り換えを検討する必要があるでしょう。
エリア確認ページが用意されていない場合は、運営会社まで問い合わせをしてみてください。
原因③:電波干渉している
ポケットWiFiの速度が遅くなっている原因としてよくあるのが、他の家電製品からの電波干渉です。
ポケットWiFiが主に使っている周波数帯は2.4GHz帯ですが、この周波数帯は他の家電製品でも使われています。
たとえば、電子レンジやBluetoothスピーカー、ドライヤーなど。
これらの機器と一緒に使用していると、インターネットの接続が不安定になってしまうことがあります。
動画視聴や音楽再生がカクつく程度の軽いトラブルですが、いずれにしてもストレスに感じる方は多いのではないでしょうか。
電波干渉している場合の対処法
ポケットWiFiが他の家電製品からの電波干渉を受けている場合、WiFiルーターの周波数帯を変更することで解決できる場合があります。
一般的に、ポケットWiFiでは「2.4GHz」と「5GHz」の周波数帯を設定で切り替えることが可能です。
5GHzの周波数帯は、壁や床、人などの障害物に弱い代わりに、他の家電製品では使われていません。
そのため、ポケットWiFiの周波数帯を5GHzに切り替えれば、他の家電製品からの電波干渉の影響を受けずに済みます。
なお、すべてのポケットWiFiで周波数帯を切り替えられる訳ではないので、場合によっては他の家電製品やポケットWiFiそのものの仕様を中止する必要も出てきます。
まずは自分が使っているポケットWiFiの設定で、周波数帯を切り替えられるかどうかを調べるところから始めてみてください。
原因④:通信制限にかかってしまっている
ポケットWiFiには、「月間○○GB」や「直近3日間で○○GB」といった容量上限が設けられていることが一般的です。
データ通信を使いすぎて容量を使い切ってしまうと、速度制限が課されることになってしまいます。
たとえば、月間容量が無制限なことで有名な「WiMAX2+」ですが、直近3日間で10GB以上のデータ通信を行うと、概ね1Mbps程度の低速化が課されます。
特に、ポケットWiFiにつないで動画配信アプリや音楽ストリーミングサービスを流しっぱなしにしていると、あっという間にデータ容量を使い切ってしまうでしょう。
意外と見落とされがちなポイントなので、ポケットWiFiの通信速度が遅い場合は、インターネットを使いすぎて速度制限になっていないかをご確認ください。
通信制限にかかっている場合の対処法
通信制限にかかっている場合の対処法は、速度制限が解除される日になるまで待ち続けるしかありません。
ポケットWiFiによっては、データ容量を追加購入することで速度制限を解除できる場合があります。
ただし、データ容量を追加購入する場合、1GBあたりの料金が割高なので、使いすぎると想定以上の高額請求となってしまうかもしれません。
そのため、日頃からどこまで使っても問題ないかを確認するようにしましょう。
原因⑤:接続端末数が多すぎる
ポケットWiFiに接続している端末の数が多すぎると、ルーターの性能低下を招いて速度が遅くなってしまうことがあります。
ポケットWiFiで提供されるルーター端末は、そのほとんどが同時接続台数を10台までとしています。
規定の台数上限ギリギリまで接続してしまうと、それぞれに電波が分散されてしまうので、結果として通信速度が遅くなってしまうのです。
昨今の事情もあり、テレワークが増えているので、仕事用のパソコンとスマホを同時接続している方も少なくありません。
それ以外にもタブレットや他の家電製品、ゲーム機などを接続していると、常に電波を飛ばせる状態でスタンバイすることになるので速度が低下する原因となります。
接続端末数が多すぎる場合の対処法
接続端末数が多すぎる場合の対処法は、ポケットWiFiと使わない通信機器との接続をあらかじめ切断しておくことです。
たとえ使っていない状態であっても、パソコンのソフトウェアやスマホのアプリなどが、バックグラウンドで自動的にアップデートしている場合があります。
意図せずポケットWiFiを使用していることになるので、メインで使用したい通信機器で、通信速度が遅くなる原因となってしまいます。
また、同時接続台数が10台だとしても、快適な速度でインターネットを利用したいなら、同時に接続する端末数を2〜3台程度に抑えることも重要です。
普段からスマホやタブレット、パソコンなどの複数の通信機器を使用している方は、ポケットWiFiと使わない通信機器との接続を切る癖を身につけておきましょう。
原因⑥:周りに障害物がある
ポケットWiFiの周りに障害物があると、通信速度が遅くなったり接続が不安定になったりします。
ポケットWiFiが使う周波数帯は、建物の壁や床、人混みの影響を受けて通信速度が遅くなってしまうことがあります。
特に、鉄筋コンクリート構造のマンションやアパート、ビルの高層階などは電波が届きづらいので注意が必要です。
また、自宅内で使う場合、家具や家電製品など、周囲に障害物となるような物があると、電波がその影響を受けて草土が遅くなってしまうことも考えられます。
周りに障害物がある場合の対処法
ポケットWiFiの周りに障害物がある場合の対処法は、なるべく窓際で高い位置にポケットWiFiを設置して使うことが挙げられます。
日常生活において、障害物を避けてポケットWiFiを使うのには限度がありますが、少しでも電波が入りやすい窓際で利用するのがおすすめです。
また、ポケットWiFi本体と接続する通信機器との距離を縮めることも有効的な方法といえます。
ポケットWiFiの通信速度が遅いと感じたら、使っている場所やルーターの位置を変更することを試してみてください。
原因⑦:端末の性能が低い
ポケットWiFiには、それぞれ対応する「通信規格」が決められています。
通信機器における通信規格とは次のとおりです。
通信規格 | 呼称 | 最大速度 | 周波数帯 |
IEEE802.11ax | Wi-Fi6 | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE802.11ac | Wi-Fi5 | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE802.11n | Wi-Fi4 | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
端末の性能が低かったり、対応の通信規格が最新のものでなかったりすると、いくら最新のパソコンやスマートフォンを揃えても、通信速度が遅く感じることに繋がります。
最大速度はあくまで技術上の理論値なので、実測値としてこれほどの速度が出る訳ではありませんが、最大値が大きい方が実測値も速くなる傾向にあります。
端末の性能が低い場合の対処法
端末の性能が低い場合の対処法は、最新のモバイルWiFiルーターに買い換えるしかありません。
昨今では5Gサービスに対応しているモバイルWiFiルーターもあるので、どうしても速度が気になる場合には、5G対応の最新モデルがおすすめです。
ただし、今販売されている端末であれば、普段使いでは支障がないケースがほとんどなので、その他の原因を疑った方が良いです。
原因⑧:パソコン・スマホなどに問題がある
ここまでにご紹介した7つの原因と対処法を試しても、ポケットWiFiの通信速度が遅いままの場合は、使っているパソコンやスマホに問題がある可能性が考えられます。
原因⑦の「端末性能が低い」でお伝えしたように、パソコンやスマホにも対応の通信規格があります。
古いパソコンやスマホを使っていると、ポケットWiFiを最新の端末に変更しても通信速度が改善されることはありません。
また、新しいOSが登場したばかりの時期にアップデートをすると、OSのバグなどで正常なインターネット接続ができなくなっている場合もあります。
そうした場合には、OS供給側にて問題が解消されるのを待つか、OSのダウングレードをするしかないので気をつけましょう。
パソコン・スマホなどに問題がある場合の対処法
使っているパソコンやスマホに問題がある場合の対処法は、まずは一度パソコン・スマホの端末を再起動してみてください。
端末の電源を切ると、システムがリセットされて不具合が直るケースも少なくありません。
それでも問題が解消されない場合は、パソコンやスマホの買い替えを検討する必要があります。
あまりに古い端末を使っている場合を除けば、基本的には端末の再起動で問題が解決することが多いので、まずは端末のリセットを試してみてください。
ポケットWiFiが遅いときのよくある質問
最後に、ポケットWiFiが遅いときのよくある質問をまとめてお答えしていきます。
ポケットWiFiが遅いときの原因と対処方法は?
ポケットWiFiが遅いときに考えられる8個の原因と対処方法を以下にまとめました。
原因 | 対処方法 |
WiFiルーターに不具合が発生している | 端末の再起動、ルーター本体の修理・交換を依頼する |
提供エリア外・圏外にいる | サービスエリアを確認してエリア内で利用する |
電波干渉している | 他の家電製品の使用中はポケットWiFiを使わない、家電製品を使わない |
通信制限にかかってしまっている | 通信制限が解除されるまで待つ |
接続端末数が多すぎる | 使わない通信端末との接続を切る |
周りに障害物がある | なるべく窓際の高い位置でポケットWiFiを使う |
端末の性能が低い | 端末本体を最新機種に買い換える |
PC・スマホなどに問題がある | 端末の再起動・パソコンやスマートフォンを最新のものに買い換える |
上から順に一つ一つ確認していき、何が原因でポケットWiFiの速度が遅くなっているのかを突き止めましょう。
速度制限にかかったときの対処方法は?
速度制限にかかった時の対処法は、基本的には速度制限が解除されるまで待つしかありません。
ポケットWiFiの運営会社によっては、追加課金することで速度制限を解除できる場合もあるので、公式サイトで確認してみましょう。
速度制限にかからないWiFiはある?
現状、速度制限にかからないポケットWiFiは存在しません。
過去には無制限で使えるポケットWiFiが数多く登場していましたが、利用者やデータ通信のトラフィックが急増した影響で、無制限プランの提供が終了となっています。
そのため、今では月間100GBや200GBといったように、容量上限を定めたプランに移行しているサービスがほとんどです。
まとめ:対処方法を試しても遅い場合には買い替えの検討を!
以上、ポケットWiFiが遅い時の8つの原因と対処法についてご紹介しました。
ポケットWiFiを使っていると突然通信速度が遅くなってしまうことがありますが、大抵の場合は、本記事でご紹介した8項目の内のいずれかに原因があります。
基本的には、この記事でご紹介した対処法を試してもらえれば、通信速度が改善されます。
ですが、何をやっても通信速度が遅いままの場合は、思い切って最新のモバイルWiFiルーターへの買い替えを検討していただくのが良いでしょう。